日産シルビアのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.575(お問い合わせの際にお伝えください)
model
日産 シルビア
system
メインユニット:carrozzeria AVIC-VH0999
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:JBL STADIUM GTO600C
リアスピーカー:なし
パワーアンプ:JBL Stage A9004
パワードサブウーファー:cerwinvega VPAS10
ケーブル:kaiser swing、audio-technica
comment
標準でツイーターのないシルビアをサウンドアッププログラムにより2way化し、外部アンプでドライブしています。
パワードサブウーファーも追加して、マフラー音に負けない低音域を確保しました。
日産シルビアのダッシュボードです。
1965年の誕生から7代目にあたるS15という型で、同車最後のモデルです。
特に5代目(1988年)のS13以降はチューニングカーベースとしての人気が高く、マーク?・チェイサー等と並び、ドリ車の代名詞として多くのファンに愛され続けています。
今回お迎えしたS15も、HKSテクニカルファクトリーからのご紹介ということもあって、さすがに機関系はバランスよく手が入っています。
驚くべきはそのコンディションの良さですね。メンテはしっかりしているものの、外観はそれなりに傷んでいるケースが少なくない中、内外ともに大変キレイで、大事に扱ってもらえている様子が伺えます。
そんな日産の名車のメニュータイトルは「エンジン・マフラー音に負けないサウンドアップ♪」です。
ナビをメインソースとし、外部アンプを搭載して、フロント2wayスピーカーをパワードライブ。さらに、パワードサブウーファーを搭載してマフラーやロードノイズから影響されにくい重低音域を整備する内容です。
ナビは以前からお使い頂いている、カロッツェリアの2015年モデル、AVIC-VH0999です。
スピーカーはお客様ご指定のJBLから、ミドルクラス2wayセパレートモデル、JBL STADIUM GTO600C(30,000円)になりました。
標準だとツイーターのないS15のために、3Dプリンタ(!)でツイータースタンドを製作し、Aピラー埋め込み加工よりはるかに低い予算で、ダッシュボード上の条件の良い位置に設置しました。
アンプも同じくJBLで、最近発売されたばかりの4chモデル、JBL Stage A9004(23,000円)です。
パワードサブウーファーは当店人気のCerwinVega VPAS10(46,500円)をお選びいただきました。
25センチユニット・450Wアンプ・アルミダイキャストボディと性能充実で、特にコンパクトなボディが、できるだけ場所を取りたくない方のニーズにマッチしているようで、高い評価が続いています。
今回はシート下スペースがタイトなので、リヤシートにシートベルトで固定!コンパクトボディならではの小回りの良さを最大限に発揮しました。
スピーカー接続も音質優先で一工夫です。
多くのナビのようにヘッドが4chで、リヤは鳴らさなくていいよ判断の場合、4chをフロントのツイーターとウーファーに割り当てて、デッキの前後のフェーダー調整で出力バランスを変えられるようにする「セミマルチ接続」をオススメするんですが、(デッキにDSP機能がない場合)スピーカーがバイアンプ接続に対応したネットワークを備えていることが前提になります。
今回のデッキはDSP非搭載で、スピーカーの600Cはバイアンプ非対応で片側1系統入力になりますので、付属のネットワークを使わずに各チャンネルを(アンプを介して)直結してしまい、ツイーター保護策として、ツイーター側にハイパスフィルターを入れました。
お察しの通り、ウーファー側はフルレンジで鳴っていますので、ツイーターの受け持ち帯域に多少影響を及ぼすことにはなり、きっちりと棲み分けが出来ているわけではありませんが、ツイーター⇔ウーファー間の出力バランスを調整する感覚を低予算で体験していただく方法として一考の価値があると思います。
ご来店のきっかけは盗難防止装置の取り付けでしたが、マフラーの音に負けないグッドサウンドもいいですね〜。となり、ご納車後はウホホと遠回りドライブへと展開したS15です♪
施工の様子をどうぞ御覧ください〜〜(^o^)
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メインユニット
こちらが今回のメインユニット。以前からお使いのナビです。
カロッツェリアのAVIC-VH0999で、2015年発売の製品です。
現在のサイバーナビは、2DINサイズ or 2DINワイドモニタに集約されており、1DINデッキのせり出し&立ち上がり式セパレートモニタは懐かしの製品となってしまいました。
昔のクルマは、オーディオデッキのための1DINスペースが低い位置にあったので、ダッシュボード上に置くタイプと、今回のような立ち上がり式は大変需要がありました。これもほんの4年前の製品ですが、すでに懐かしい感じが。時が経つのは早いものです。
また、最近のパイオニア製品ですと、ナビにも1DINオーディオデッキにもDSP機能がついており、ネットワークモードを選ぶと、2wayスピーカーセットに付属するネットワークを使わずにツイーターとウーファーを直結でき、クロスオーバー設定が出来てしまいますが、この時代はネットワークモードがありませんでした。
それでも4chアンプをフロントで使って、高音質&調整の醍醐味を楽しむため、冒頭でご説明したように、ツイーター側にハイパスフィルターを入れて対応しました。 -
フロントドア
それではドアトリムを眺めてみましょう。
2ドアクーペですので、ドアは長くて大きいですね。
トリムの起伏が比較的マイルドで、角に丸みのあるデザインが、昔の日産車らしい柔らかい空気を漂わせております。
それにしても、超絶ナイスコンディションですねぇ。ほとんどヤレがなく、タイムスリップでもしてるかのような不思議な気分です。
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ドアトリム取り外し
それではトリムを外してみましょう。
ううむ、ホントに今は2019年でしょうか??
錆びてなくても、しっかり汚れが入り込んでいるのが相場なのに、高年式車のようです。
おそらく、車庫保管がほとんどなのでしょうね。ここまでキレイなのは珍しいです。
スピーカーは、過去に量販店さんでカロッツェリアの2wayを取り付けられたようで、純正ではありません。
ウーファー周りのシャンプーハットはその際に取り付けられたようです。
ドアトリムの裏側にも、スポンジが2箇所貼り付けてありました。 -
アウターパネル作業
実作業第一弾はアウターパネル作業です。
後ろ髪を惹かれる思いをふりほどきながら、ビニールシートを引き剥がし、15年間眠っていたブチルゴムを起こします。
全体の清掃と脱脂を済ませたら、アウターパネルに短冊状にカットしたサイレントコートを貼り付けていきます。
ご覧の通り、前半分はサービスホールがほとんどなく、後半部分も比較的小さいので、なかなか苦戦します。
まあ、でも、これは音的にはアドバンテージ大ですよね。
年代が比較的近い、日産ラシーンと同様、ドアオープナー開閉が昔懐かしい「ロッド引っ張り式」でほっこりいたします。(^o^)
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インナーパネル作業
次にインナーパネル側の作業です。
ウーファー用のスピーカーケーブルを引き込み、バッフルにスピーカーを固定したら、サイレントコートで塞いでいきます。
全面隙間なく、ビッチリと貼られていますね。
インナーパネルの起伏が少なく、穴も小さめで数も少な目のため、非常にすっきりと貼れています。
一見で、いい結果が出そうな雰囲気が感じられますね。勝利の予感! -
ツイーター設置
ツイーターの設置状況です。
ダッシュボードの奥側のところにセットしました。
JBLのブランドカラーであるオレンジを配した振動板が、所有欲をくすぐりますね♪
これまでカラーリングされていたのは、エントリモデルのGXシリーズのユニットだけでしたが、最新モデルからはミドルクラスのGTOもオシャレするようになりました。
音が良ければ黙ってても売れるワイ。という時代でもないので、こういった手段でアイデンティティーがはっきりさせたほうが、マーケティング的にはよさそうです。
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実は作ったんです
前カットで「JBLにもツイータースタンドが付属するようになったんだねー。」と誤認していただけたかどうかわかりませんが。。実はこのスタンド。当店で製作したんですよ。
海外製品の多くは、ツイーターの取り付け方を、標準の位置での置き換えor穴を開けて埋め込む「フラッシュマウント」前提で考えているようで、国内メーカーのような見映えのよいスタンドは付属していません。
標準でツイーターが付いていないクルマで、付属のフラッシュマウント用部品を使った取り付けの場合、平面のあるドアトリム上くらいしか場所がなく、音場つくりの点でアドバンテージのあるピラーやダッシュボードでの角度をつけた取り付けは事実上できません。
方法としてはピラーへの埋込もあるのですが、加工の程度によって3〜6万くらいの工賃がかかりますので、予算的に難しいお客様もいらっしゃいます。
そこで、価格もこなれてきた3Dプリンターをつかって、提携先の工房で作ってもらうことにしました。
ツイーターユニットが直接取り付けられている、リング状(スリーブ状)のツヤのあるパーツはキットの付属品で、その後ろをつくっています。
パーツ構成は、背面のカップ・脚・台座の3ピースで、ケーブルが3つを貫いて外に向かう格好になっています。
3つを組みつけて、位置と向きを決めたら、互いを接着して一体化させ、強力両面テープでダッシュボードに留めています。
費用は左右で約1万円といったところです。
スタンドが付属している国産スピーカーをお選びの場合は用のないパーツですが、?フラッシュマウントオンリーの海外製品の場合で、?標準の位置での差し替えができず、?Aピラー埋め込みまでのコストはちょっと、、、という場合に検討の価値が生じてくるアイテムです。
※フィッティングや接着などの加工が必要なので通販は対応しておりません。お店インストールのみとなりますのでご了承ください。
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パワーアンプ
次はシート下に移動です。
助手席シート下には、JBLのNewパワーアンプ、Stage A9004を設置しました。
回路の集積度向上に後押しされ、ボディの小型化がすすむトレンドが車載機器全般に見られます。この製品も例に漏れず、50 x 145 x 268mmというコンパクトサイズに収まっています。
サイズは小さくても4Ω時の定格出力は90W×4chですから、これは結構パワフルです。
接続は、ハイゲイン入力(スピーカー出力を直入力)にも対応していますが、サイバーナビにRCA出力があるので、今回はRCAで入れています(手前の青ケーブル)。
スピーカーへの出力は奥の左側の赤/グレーのケーブルで、ウーファー×2、ツイーター×2で4ch消費しています。
なお、前述のとおり、ツイーターへ向かう線の途中にはハイパスフィルターを入れてあります。
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パワードサブウーファー
最後はパワードサブウーファーの勇姿です。
シート下設置可能なパワードサブとしては標準的な345×245×65 mmの筐体に、クラスを超える10インチ(25センチ)ユニットと定格200Wのアンプを詰め込んで、46,500円に抑えたハイコスパ製品です。
設置性のよいコンパクトサイズですが、ボディーが全てアルミダイキャストで出来ているのでズッシリと重く、パワープレイ時のバタつきが起きにくくなっています。
設置はリヤシートに座らせる格好におちつきました。
フロントシート下には、当機を余裕持って収められるほどのスペースがないうえ、フロントシートの背もたれと、後席にピッタリ密着している状態が常のようでした。
トランク内設置も検討には上がりましたが、後席に人が乗ることはナイということでしたので、最も加工費のかからない方法でこうなりました。
ボディを車体に近づけて、かつ、出来るだけ固定したほうが低音の伸びがよいのはわかってますが、今回の条件下での最適解だろうと思います。見た目の収まりもなかなかよいですね♪ -
作業後記
今回は日産の名車!(最近連呼してるような(笑))S15シルビアのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
ナビヘッド+サウンドアッププログラムによるフロント2way化にパワーアンプとパワードサブウーファーを足したケースで、多くのお客様が、一応の目的地とする内容でもあります。
今回は、DSPなしのナビデッキに、バイアンプ非対応のスピーカーをバイアンプ接続するためにハイパスフィルターを入れるという対処法もお目にかけました。
新製品の場合、こういった気遣いをすることもありませんが、手持ちの機材を活かしたインストールの場合、お役に立てるケースがあるかもしれません。ご事情にマッチするようならお声掛けください。
あと、今回初紹介となった3Dプリンター製作によるツイータースタンドはいかがでしたでしょうか?
機械、材料、手法ともにこなれてきて、こういったカスタム製作にも使えるようになってきました。
文中でも触れましたとおり、今回のスタンドはワンペアで1万円というコストです。
とはいえ、射出ヘッドを動かすための3次元データつくりの「初期投資」はある程度かかるので、なんでも1個だけ!というわけはいかず、一定の数が見込めることが前提にはなりますが、小ロット生産を可能にした3Dプリンタのメリットを活かして、いろいろチャレンジしてみたいと思っています。
愛情たっぷりの旧車から、出会ったばかりの新車まで、サウンドアップのご相談はお気軽にどうぞ。
抱えていらっしゃる課題とご予算に応じて、柔軟に対応させていただきます。
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