BMW5シリーズ525i(E60)のオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.538(お問い合わせの際にお伝えください)
model
BMW 5シリーズ 525i(E60)
system
メインユニット:純正/FiiO X5 3rd
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO RX165
リアスピーカー:純正
サブウーファー:GROUNDZERO GZUW 12SQX
プロセッサーアンプ:ESX XE6440-DSP
サブウーファーアンプ:GROUNDZERO GZIA 1.600HPX-?
DAコンバーター:audio-technica AT-HRD500
ケーブル:audio-technica、kaiser swing、SUPRAcomment
標準の外観キープ。。ではなく、音質優先でアウターバッフル化した例です。
再生側もFiiO→DAコンバータ→DSPと充実しています。
BMW525iのダッシュボードです。
現行G3#系のふたつ前、E60型になります。
製造は2003年から2010年までということなので、モデルチェンジから8年経つんですね。
シンプルでストイックなデザインのおかげでしょう、時の経過を感じさせません。
BMW車らしい、心地よい緊張感が漂っています。
当店でBMWと言えば、BMWブライトオーディオパッケージのご用命がダントツで多く、外観キープのサウンドアップ施策がほとんどですが、今回は中もやります、外もやりますのハイエンドフルオーディオの事例です。
ベースは純正ヘッドユニットのアウトプットを→プロセッサーに入れ、→社外スピーカを鳴らすラインです。
プロセッサーは、ESX XE6440-DSP。
6chアンプ内蔵で8ch制御、かっこよしのコントローラーも付属して75,000円と、コストパフォーマンスの高さで、混戦模様のDSPダービー先頭集団を一馬身リードする存在です。
スピーカーは当店人気のブルームーンオーディオのフラッグシップ、RX165(180,000円)です。
力強さと表現力の高さが売りで、癖らしい癖がなく、出来の良い楽器のように存在感のある音を聴かせてくれるユニットです。今回はこれをアウターバッフルできっちり露出させてインストールしました。
あわせて、音のベースを作るサブウーファーとモノラルアンプもGROUNDZEROブランドで整えました。
このハイスペックなインフラにふさわしく、今回はインプットするソースのクオリティにもこだわっています。
ハイレゾ再生用ヘッドユニットとして、ハイエンドDAP(デジタルオーディオプレイヤー)のFiiO X5 3rd(実売約46,000円)を起用。そのデジタル信号のアナログ変換を担うのが、オーディオテクニカのデジタルトランスポート/DACのフラッグシップモデルである AT-HRD500(70,000円)です。
さらに今回は、AT-HRD500の多彩な入力系統を活かすべく、AT-HRD500への入力コネクタをコンソールパネル部分に作り込むカスタマイズも行いました。
FiiOのデジタル信号をロスレスで受け入れるための同軸コネクタと、USBコネクタの2つならべ、さらに、上述のDSPのかっこよいコントローラーも埋め込みました。
やりたいことを一通りやった感じのE60の事例。
どうぞ御覧ください。
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フロントドア
それではまず、ドアの内装から。
外観に変更を加えない事例のご紹介の場合、写真では作業前後の判別がつきませんが、今回は見た目変わりますからね〜。これはお預かり時の状態です。
標準オーディオのフロントスピーカーは、ミラー裏のツイーター、ドアハンドルのところの小径スコーカー、シート下のウーファーの3way構成になっています。
今回これを、ツイーターとドア設置のウーファーとの2wayに変更することになります。 -
ドアトリム取り外し
それでは作業に入ってまいります。
まずはドアトリムの取り外し。
BMW恒例の糊付けスポンジシートが現れます。
みっちりと貼ってあるなぁと、毎度感心するのですが、予定通り剥がさせていただきます。すいません。
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アウターパネルにアクセス
アウターパネルのデッドニングが終わったところです。
インナーパネルのスポンジを剥がし、脱脂清掃し、短冊状にカットした防振材を貼り付けます。
防振材はデッドニングに標準採用しているサイレントコートを使っています。
この車のドアには、小径のスコーカーが装備されるのみで、かつ、ドアトリムに取り付けられているので、インナーパネル側にはスピーカーホールというものがありません。
今回は、標準的なドアスピーカーの位置である右下のところに取り付ける計画です。
左上はエアバッグユニットが収まる場所で、インナーパネル側の形状が変わらないほうがよいと判断しましたので、その部分だけスポンジを残し、その面に這わせるように防振材を貼ろうと思います。
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インナーパネル防振
次にインナーパネルを仕上げていきます。
デッドニングですので、全面貼りですね。
下半分に大きく口を開けていたサービスホールもすっかり封じ込めてしまいました。
デッドニングの目的は、(1)ドアの筐体を密閉して気密性を高めることと、(2)共振しない硬い箱にすることに大別されます。
防振材は細かい振動を吸収して、共振を防ぐのは得意ですし、粘着力もありますので、(1)は大得意ですが、アルミシートとブチルゴムという、柔らかい素材でできているため、ガンガンに大音量でドライブした場合は、穴のところに貼った材料が微妙に膨張し((2)の特性が怪しくなり)コーンの動きを阻害する(音のディテールを濁す)方向に作用します。
そのため、今回のように穴が大きい場合は、薄手の金属製の網を骨材として施工したり、比較的硬い素材であるウレタン系のレアルシルトを重ね張りするなどして、硬さを補うアプローチが有効です。
しかし、これはかなりパワードライブ系の方の視点なので、単なる情報として聞いておいてください。
とは言え、今回の例も含めて、比較的穴が大きい場合は、防振材がドアトリムの内側と接触するように施工し、膨らもうとしても内装で押し戻されるようになるよう、配慮はしています。
具体的には、内装の内側と防振材の間にスポンジやコットンを詰めるといった方法です。
今回はもともと内装の裏に防音のコットンがいくらかついていましたので、これを活用して目的を果たしました。
右下には、ドアウーファー取り付け用のバッフルが新設されています。
なんにも無いところにバッフルを形成する例は、ご覧いただく機会が少ないので、次のカットで工程をご説明します。
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ドアバッフル新設の一例
一般的な位置にスピーカーがついていないドアの場合、まずは足場を作るところから始まります。
インナーパネル側の状態は、取付予定の位置に十分な広さの鉄板がある場合もあれば、半分くらいしかない場合、何にもない場合とさまざまです。
今回は「半分くらいしかない」ケースでした。
大まかな作業の流れは以下です。。
(1)元の状態です。
(2)足場となる板を留めるために、鉄板のフチの部分に固定用のボルト穴を空けます。合わせて、スピーカーの背圧の排出の邪魔になる鉄板をカットします。
(4)寸法通りに板とリングを組み合わせてバッフルを作ります。
(5)バッフルをボルトで固定します。なお、バッフル背面は平らですが、鉄板側には凹凸がありますので、パテを充填して、一切隙間がない状態にしてから固定します。
(6)スピーカーを固定して出来上がりです。 -
ドア完成
できあがりの図です。
内装のラインに合わせて作っておいたアウターバッフルをあてがい、アルミホイールを思わせるデザインのRX165のグリルを締め込んでドア完了です。
アウターバッフルはMDFとパテで整形し、合皮を貼って仕上げています。
昔々は、今に比べて合皮の伸びがよくありませんでしたので、あまり変化率の高い造形は避けていましたが、今の材料はだいぶ追随性がよくなったので、デザインの自由度が上がりました。
また、影の主役である接着剤についても、今は産業用というか、一般に販売されていない性能の高いものが手に入るようになり、以前なら浮きが懸念されそうな造形でも、だいぶ強気でいけるようになりました(笑)
なお、ドアグリップの位置に残っている純正スコーカーは、ユニットこそそのままにしてありますが、結線はしておりません。
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ピラーツイーター加工
ツイーターの設置状況です。
指向性の高い高音域を担当し、音像のステージングに最も影響を与えるツイーターは、取付角度に気を遣ったほうがよく、また前方の障害も極力無いほうが良いということで、現状、最も理想的な取り付け方法であるツイーター埋め込み方式をとりました。
この角度については、左右対称と、リスニングポイントにフォーカスさせて非対称の2つに大別されますが、当店は前者で、焦点はルームミラーあたりに合わせています。、
制作方法は、もとのピラーにMDFの基台を設けて、パテで整形し、合皮を貼って仕上げています。
これも、前述のバッフル同様、昔に比べると細やかな造形が作れるようになりました。 -
サブウーファー
こちらは荷室の状況です。
音の厚みの演出に大きな役割を担ってくれるサブウーファーです。
今回はパワードサブウーファーでなく、アンプとユニットを別に用意しました。
ユニットはグラウンド・ゼロのGZUW 12SQX(55,000円)、モノラルアンプは同じくグラウンド・ゼロのGZIA 1.600HPX-?(45,000円)です。
このような汎用のウーファーボックスは、取り外し可能にできる点がいいですね。
今回はケーブルの抜き差しが容易に可能なバナナプラグをつかって接続しています。大きい荷物を積む場合など、手軽に降ろすことが出来て便利です。
アンプは、空き家になっていた、ラゲッジフロア下のスペアタイヤの格納場所に設置いたしました。
音の出口のご案内が終わったので、次は入口の方に移ります。
DSPは人気急上昇中のESX製、XE6440-DSPです。
8chまで制御できて、6chのアンプ(40W×4・70W×2)を内蔵し、一般的には別売りのパターンが多いコントローラーもついて75,000円とリーズナブルで、今、一番目立っている製品です。
標準の外観キープ事例では、このグッドデザインのコントローラーがアームレスト内に閉じ込められてしまうケースがほとんどですが、今回は一番いい場所をもらえることになりました♪
ここは、元々小物入れのあったところです。パネルを制作してコントローラーを埋め込みました。
左隣にあるふたつのコネクタは、DSPにつながるオーディオテクニカのDAコンバーターへの入力です。
黄色が同軸デジタルで、右はUSBですね。(データ転送用なので充電は出来ません)
今回、ヘッドユニットとして活用するFiio X5 3rd generationはデジタルコアキシャル出力に対応していますので、この黄色に接続することになります。
何もなかったところにプラグを挿せるようになるって変化が心地よいですね。
ちらっと目に入るイエローも萌えポイントと言えるのではないでしょうか。
DSP本体と、オーディオテクニカのDAコンバーターAT-HRD500は、運転席の下に設置しました。
DSPには、純正ヘッド or DAコンバーター経由でFiiOの信号が入り、ツイーター・ウーファーのフロント2way、リヤ、サブウーファーに出力されます。
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Fiio X5 3rd generation
ハイレゾDAPのFiiOは手元に持ってきています。
視認性と操作性を安全面から考慮してこの場所への設置を提案させて頂きました。
マグネットでくっつくタイプですので、取り外して、手元で操作をすることも可能です。 -
作業後記
今回はBMWのフルオーディオの事例をご覧いただきました。
最近は時代を映して、外観キープのサウンドアップ事例が多く、BMWは特にその傾向が強いので、ちょっと斬新だったのではないでしょうか。
ドアにスピーカーがついている車の(インナーでの)スピーカー交換、ならびにアウターバッフル化にとどまらず、ドアにスピーカーの設定がない車でも、プロショップなら取り付けることは可能です。
無いところにつけるというと、大変な感じがするかもしれませんが、一定の工数がかかるだけで、難易度は決して高くないので、万事計画通りに進みます。お気軽にご相談ください。
あと、今回の事例でも(また)触れておくべきはDSPですよね。
まずは本体10万円から。が、ざっくりの基本線でしたが、ESXのXE6440-DSPはコントローラー込みで75,000円ですので、かなりコスパが高いですね。
最近、当コーナーでの露出が増えていることもあってか、お問い合わせ・ご用命ともに増えています。
本文中でも触れましたが、当機は6ch(40W×4・70W×2)分のアンプを内蔵し、8chまで制御可能です。
今回は、内蔵の6chでツイーター、ウーファー、リヤスピーカーをまかない、残りの2chプリアウトの先でサブウーファーを駆動しましたので、本機のスペックを無駄なく使い切った格好になっています。
更に今回は、コントローラーとコネクタ類の埋め込み取り付けまでやって、やりきった感満点ですね(笑)
どこまでやるかは、個々のご事情によりさまざまだと思いますが、DSPならではの3大効果(帯域分割、タイムアライメント、イコライジング)は、一度ご体感いただきたいなと思います。
ご興味を持たれましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
ご予算に応じてプラン提案させていただきます。
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