トヨタアルテッツァのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.851(お問い合わせの際にお伝えください)
model
トヨタ アルテッツァ
system
メインユニット:KENWOOD DDX5020S
デッドニング:フロント
フロントスピーカー:carrozzeria TS-T730II(ツイーター製品)、ALPINE X-180S(ツイーター破損のためウーファーのみ使用)
リアスピーカー:キャンセル
サブウーファー:KICKER L7T10(4Ωdvc)
パワーアンプ:audison SR 5.600.2
ケーブル:audiotechnica
comment
ディスプレイオーディオをヘッドユニットとして、5chアンプでフロント2wayとサブウーファーをマルチで鳴らすシステムです。
サブウーファーはリヤシートのアームレストから顔を出すように作ったので、ディープなヘビーベースが室内を満たします!
トヨタ・アルテッツァの事例紹介です。
アルテッツァは、1998年から2005年までの7年間に渡って販売されていた中型4ドアスポーツセダンです。
クラウンやマーク2などの大型セダンに比べてコンパクトなボディに、パワフルなエンジンを積んだFRスポーツというコンセプトで開発されました。
エンジンは直6の1G-FEと、直4の3S-GE(当時のNAで最高出力210馬力)を搭載し、ミッションも6速MTモデルがラインアップされ、6速MT車にはトルセンLSDが標準装備されるなど、積極的にスポーツ性能を追求したモデルでした。
このように硬派なスポーツ系というテイストでスタートしたため、初期型の内装は質素でしたが、後に同時期に開発中だったスポーツセダンと統合され、欧州のDセグメント車への対抗車種としての役割も帯びることとなり、従来のスポーツセダンに加えて、プレミアムセダンとしてのテイストも備えるようになり、後期型では、装備が豪華になっていきました。
2001年には、今でいうシューティングブレーク風の5ドアハッチバックであるアルテッツァ・ジータが加わり、年次改良によって装備の充実を図りつつ、2005年に販売終了を迎えました。
今回お迎えするのは、後期型のAS200です。
DIYを始めてみようと試みたものの、作業時にツイーターを壊してしまったり、工程そのものが思うように進まなかったりでパワーダウンしてしまい、プロに依頼した方が確実かもしれない・・と考え直され、当店にお越しくださいました。
最初にお伺いした感じでは、方針変更の主な理由として、以下を挙げられていました。
〇とにかく停滞から脱出して、ちゃんと鳴る状態にしたい。
〇冷静になってみると、木を切ったり、生地を貼ったりの作業はDIYはできないな。
〇デッドニングも、見様見真似ではなく、プロに頼むと、どんな音になって仕上がってくるのか興味がある。
〇プロ相手なら、先々計画しているシステムアップもいっぺんに頼めそう。
〇特にサブウーファーはリヤシートの中央にカッコよく取り付けたいし。
といったところでした。
ご相談いただいた現状では、ケンウッドのディスプレイオーディオは交換できているものの、アルパインの2way(X-180S)インストール中にツイーターを壊してしまい、ツイーターのみ購入はできないため、カロッツェリアの単品ツイーター(TS-T730II)を購入したところで止まっていました。
ご相談の当初の段階では、これら2wayスピーカーの(ちゃんとした)取り付けと、(プロの)デッドニングがメインでしたが、先の計画として思い描いていらっしゃったセパレートアンプ、DSP、サブウーファーと、一通りのプランを並べていただきました。
ここから時間をかけて、予算と相談しながら検討させていただいた結果、以下のようにまとまりました。フロント2wayとサブウーファーを5chアンプで鳴らすシステムです。
〇フロントスピーカーは購入済みの2社混合2wayを取り付けてデッドニング施工
〇DSPはアンプレスの上級機にしたいので、今回は先送りして、代わりに(先々も使える)5chのパワーアンプを導入する。
〇サブウーファーは、四角いユニットを導入して、リヤシートのトランクスルーのところにカッコよくつける。
〇アンプ・サブウーファーともにトランク容積を圧迫しないようにコンパクトに仕上げる。
以下、コンポーネント紹介です。
〇ヘッドユニット
ケンウッドのDDX5020S(オープン価格)です。これはオーナー様が頑張って取り付けられたそうです。
最近のディスプレイオーディオ/ナビは市場ニーズの変化とコスト低減のため、CD/DVDといった回転系のメカを搭載しないものが主流になってますが、こちらの製品は回してくれる点で独自性を持っています。
DVD/CDの他、USB/Bluetoothのメディアをこなし、フォーマットはMP3/WMA/AAC/WAV/FLACに対応しています。
ネットサービス利用の窓口としてandroidauto/AppleCarplayが利用でき、当然ながらハンズフリー通話にも対応しており、これで十分という方も少なくないと思います。
当サイトで登場の機会の多いパイオニア系との比較としては、4chアンプはあくまでもフロントとリヤに分けて使う前提となっており、DSP機能はあるものの、サブウーファー帯域との切り分けに特化していて、当サイトでよくやるようなツイーターとウーファーをマルチ接続し、プリアウトにつないだパワードサブウーファーを含めて、一体的に調整できるような仕様にはなっていない点に違いがあります。
〇スピーカー
ALPINE X-180S(ツイーター破損のためウーファーのみ使用)
carrozzeria TS-T730II(ツイーターのみの製品)
冒頭でご説明した理由で、2社混合2wayです。これについては、期せずして混ざってしまうこととなったので、アンプレスDSP搭載など、先々のステップアップ施工時に、よりハイグレード製品への交換を視野に入れていらっしゃるご様子でした。
〇スピーカー取り付けと防振
スピーカー取り付けについては、オーナー様が使われていた専用バッフル(ちょっと難のある製品ではありますが)をそのまま使って取り付けました。
本来であればカスタムバッフルを作って、ストレスのない取り付けをしたいところですが、先々のスピーカー・ステップアップ時にコストを回すことにしました。
ドア防振については、オーナー様のご希望通り、制振力の強いデッドニンググレードで施工しました。
〇パワーアンプ
audisonのSR 5.600.2(税込81,400円)です。これは当店でご購入いただきました。
今回のフロント2way+サブウーファーの構成に必要な5chのアンプで、出力は4Ω前提で75W x 4ch + 330W x 1chとなっています。
DSP機能とアンプを合体させたDSPアンプは、音響設定と増幅という欲しい機能がワンボディで揃うので非常に人気ですが、他のアンプのテイストも楽しんでみたい気になった場合、プリアウトで他のアンプを接続できるものの、内蔵のアンプが無駄になってしまうという点ではデメリットと言えます。
今回のお客様のように、先々はアンプレスDSP+セパレートアンプのイメージを持たれていて、予算の都合で、施工時期を刻む場合は、アンプを先に買ってみるのはスマートかもしれないですね。
〇サブウーファーとインストール
KICKER L7T10(税込86,900円)こちらも当店でご購入いただきました。
上述の通り、リヤシート中央のトランクスルーの開口部に顔を出すようにインストールしたいというご希望がありましたので、10インチクラスのユニットが良いだろうということになり、かつ、トランクの容量圧迫を減らすために、奥行きが深くないものということで、こちらの製品にしました。
振動板が円形ではなく四角ということで、見た目のシャープさもポイントでした。
施工については、サブウーファーボックスを作りこんで、トランクとの境界にアンプボードを兼ねた大きな壁を立てて、トランク内と同系色のカーペットを貼ってきれいに仕上げました。
以上をもって、オーナー様からDIYのバトンを受け取って、ゴールまでの完走プロジェクト!が完了しました。
業者が手をかけたのですから、それなりの見栄えに仕上がるのは当然ですが、音も見た目も想像を超えていたらしく、、
「こんな自然な仕上がりになるのか〜」「音も段違いに良くなった、こんなに変わるんですね〜」といった具合で、ありったけの形容詞を頂戴いたしました♪
予算的には、当店でご購入いただいたアンプ(税込81,400円)とサブウーファー(税込86,900円)の他、デッドニング57,200円、トランクボード・ウーファーボックス製作88,000円、プラスマイナス同時バッ直53,000円強ほか、ケーブル類と施工費用諸々で税込49万円ほどになりました。
それでは施工の様子をご覧ください♪
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メインユニット
ケンウッドのディスプレイオーディオに交換されていました。
アルテッツァには、オーディオレスモデルは無く、6連奏CDチェンジャーが搭載された専用設計のオーディオが搭載されていました。
構造としては、2DIN規格に則っていましたし、基本的な知識があれば脱着は難しくないので、場所と時間がある方はDIY交換も可能ですね。 -
フロントドア
アウターバッフルになっているかのようなデザインのドアですが、れっきとしたオリジナルのドアです。
冒頭のアルテッツァの遍歴のところで触れましたように、後期型からゴージャス志向に路線が変わったため、キラッと美しいグリルがつくようになりました。
ちなみに、前期型は細かな穴が空けてある樹脂で、よく言えば質素。ごくごく普通でした。
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ドアトリム取り外し
ドアトリムを外したところです。
ウーファーはDIYにて交換済みでした。
装着されているスピーカーは、ALPINE X-180Sという18cm相当のスピーカーです。
純正のスピーカーは16センチ程度なので、そのままではスピーカーホールが小さいのでサイズが合いません。そのため、すり鉢状に広がっている専用のバッフルが用意されており、今回はその専用バッフルを使って取り付けられていました。
こういう内径が絞られるタイプのバッフルは、ドアに無加工で大径スピーカーを取り付けられるメリットがありますが、振動板の背面から排出される空気が、ドア内に抜けにくくなり、音が詰まりやすくなる点に留意する必要があります。
ですので、もし、当店がこのスピーカーの取り付けを依頼された場合、バッフルによって内径が絞られず、楽に背圧を逃がせる状態を作るために、スピーカーに合うサイズのバッフルを作成しつつ、ドアのインナーパネルに空いているスピーカーホールも拡大して取り付けます。
ついでなので、大径ウーファーが向く条件についても触れておきたいと思います。
結論からいうと、18センチ−20センチといったウーファーは、ちゃんとつければ深い低音域を再生できますので、近い周波数を補強するユニットであるサブウーファーを使わない場合に選びたいと思います。
逆に、サブウーファーを使う前提であれば、ポピュラーな16センチサイズでいいでしょうし、スピーディーな音を好まれる方であれば、13センチクラスを合わせるという手もあります。 -
アウターパネル作業
アウターパネル側の作業が終わったところです。
ビニールシートを剥がして、アウターパネルを清掃、脱脂してから短冊状にカットした防振材を貼っていきます。
スピーカー取り付け部にあるのが、前述の専用バッフルです。
もともとのスピーカーホールよりも大きなスピーカーを付けるために、手前に来るほどすり鉢状に広がっています。よく見ていただくと、黒いバッフルリングの内側に、1センチ弱ほどの幅で鉄板が飛び出しているのがお分かりになると思います。バッフル自体もだんだんと絞られる形なので抵抗が生じますが、さらに鉄板が飛び出しているので、さらにヌケが悪くなるわけです。
今回はコストの関係もあるので、このままで取り付けてしまいますが、次に手をかける場合は、鉄板カットとバッフル拡大によって、ヌケの良い状態に修正したいところです。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
スピーカーケーブルを引き込んで、ウーファー用と、(写真の上端に見える)ツイーター用とに配線を振り分けてウーファーを固定したら、インナーパネル全面を防振材で覆います。 -
ツイーター交換
アルテッツァでは、ドアのミラー裏に純正のツイーターが設置されています。
この位置に、お客様が調達したcarrozzeriaのTS-T730-2を取り付けます。
一般的なツイーターは、ポッド型のハウジングに格納されているので、こういう純正の位置にトレードインする場合は、(写真のように)ハウジングから中身のユニットだけをを取り出して小さくする必要があります。
お客様はこの工程でALPINEのツイーターを破壊してしまったようです。DIYで分解までトライなさったのはご立派だと思いますが、、造りが繊細ですので、場数を踏まないと難しいかもしれないですね。
写真では、純正ツイーターを支持していたステーを流用して、カロッツェリアのツイーターを保持しています。この後、純正のツイーターカバーを付け戻します。
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サブウーファー
サブウーファーの設置状況です。
これはオーナー様たってのご希望で、後席アームレストのところにインストールしました。
製品はKICKERのL7T10です。
スピーカーの裏側には、ウーファーボックスを作りこんであり、さらにMDF製のアンプボード兼トランク壁によって、トランクと仕切ってあります。
トランク側から見た様子は、別のアルテッツァの写真がわかりやすいです。 こちらの事例をご覧ください
四角いウーファーがこうやって見えるのはカッコいいですね♪
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パワーアンプ
トランク側から覗いたところです。
写真の写っているのは、オーディソンの5chアンプで、幅80センチほどのアンプボード兼トランク壁の上に取り付けられています。
このボードの奥が、前述のウーファーボックスという位置関係になります。
サブウーファーのボックスは、荷室の天井(リアトレイ)の一番奥から垂直に落としたスペースに作りこんでいます。
リアシートが寝ているので、ウーファーボックスは必然的に3角形になります。
密閉型のボックスで必要になる容積を計算すると、ウーファーボックスの左右をタイヤハウスあたりまで広げれば足りるので、トランク容積の犠牲は最小限に止めることができました。
パワーアンプは、お客様が独自に調査をしてお気に入りの1台を決めてこられましたので、ご要望にお応えさせていただきました。
フロントスピーカー4つとサブウーファーを鳴らすのに十分な出力があります。
KICKER L7T10は、4ΩDVC(4Ω抵抗のコイルを2系統装備している)です。
ダブルボイスコイル方式のサブウーファーは、目的に応じて、(1)この二つの回路を直列につないて1ch・4Ωとする、(2)並列につないで1ch・2Ωとする、(2)両者をつながずにそれぞれに1ch(4Ω)づつ(計2ch)入力する、という使い分けができます。
基本的な目的としては、(1)が音質重視、(2)は比較的低出力のアンプで効率よく鳴らしたい時、(3)は強い駆動力を発揮したい時。といった具合です。
今回は、並列につなぐ(合成抵抗が2Ωになる)方法をとりました。この条件ですと、ウーファー側の定格入力500Wで、アンプの定格出力が550Wとなります。
ちなみに、フロントウーファーに使用しているALPINE X-180Sは、瞬間最大入力が180Wで定格入力は45Wです。
アンプの能力は、4Ω時で定格75Wですのでこちらも最大入力以下なので問題なしです。
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作業後記
今回はアルテッツァのサウンドアップ事例をご覧いただきました。
DIY断念からのご相談・依頼は、おそらく皆様のご想像よりは多いと思います。
今の時代、取り付ける製品は新品・中古問わず、簡単に手に入りますし、みんカラなどのネット情報を掘り起こせば、内張などの脱着手順もなんとなくわかります。また、アウターバッフルなどの一から作る造形物は難易度が高いにしても、ネジでつけ外しできる類の製品の取り付けや、ケーブルの引き回しなどは出来るように見えます。
しかしながら、SNSでアップされている事例は、それなりに器用で、道具を持っていて、バラせる場所があって、なにより、そういうことにかけられる時間がそこそこある。いろんな意味で余裕がある方がやっていらっしゃるわけなので、自分に置き換えた時の再現性は総じて低いです。
また、悪いことに、そういうのを見ちゃってるときはヤリたくてしょうがない気分になってるので、ベストシナリオを夢想しやすく、失敗リスクが見えなくなりがちです。
ということで、時間だけは無限にあった学生のころと違って、お仕事があって、色々制約のある社会人の方だと、途中で手を付けられなくなるパターンに陥りやすいようです。
当店では、こういったお客様のご事情に配慮して、やりかけ状態からの引継ぎ施工もお受けしております。
当店店主もインストーラーも、もともとはDIY好きでしたから、チャレンジャーの皆様の心情は分かります。
実際にどうしたかったのか、何があるのか、足りないのか、これからどうしたいか、予算はどの程度かけられそうか、、細かくお聞きして、ご満足いただけるようにお手伝いいたします。
DIYでスタックしてる方も、機材は揃えたけど積みプラ/積ん読状態になってる方も、どうぞお気軽にご相談ください。
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