ポルシェ928GTのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.834(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ポルシェ 928 GT
system
メインユニット:carrozzeria MVH-7500SC
デッドニング:なし
フロントスピーカー:audison AP1、AP 4
リアスピーカー:audison APK 165 Ω2、AP 4
パワーアンプ:純正
ケーブル:純正comment
フロント・リヤの各2wayとウーファーの計10スピーカーを全て社外の新品にリフレッシ交換しました。
比較的リーズナブルなaudisonのプリマシリーズのユニットを使い、工賃込み総額12万円台の費用で収まりました。
ポルシェ928GTの事例紹介です。
928はポルシェが1977年から1995年に渡って販売していたスポーツカーです。
今もなお、ポルシェのフラッグシップモデルである911は1964年から量産開始され、トップクラスの走行性能を持つ車としてのポジションにつけていましたが、それまで未開拓であったジャガー・アストンマーチン・フェラーリ12気筒モデルといったプレミアムスポーツや、BMW・6シリーズ・メルセデスSLCクラスといった高級パーソナルクーペの市場に打って出るために開発されたモデルとされています。
基本仕様としては、V8エンジンをフロントミッドシップに搭載したFRレイアウトで、50:50を意識した重量バランスをもち、1996年発売の996型911まで粘った空冷エンジンとは対照的に水冷式で、バルブクリアランスを自動調整するハイドローリック・タペットを採用するなど当時の新鋭技術を満載しています。
外観面では、ポルシェらしい丸みのあるアウトラインに、点灯時のみ前方に立ち上がるポップアップヘッドライトが個性的で、なだらかに傾斜したダッシュボードの形状も先駆的でした。
19年に渡ってフルモデルチェンジなしの単一型式車両として販売されましたが、幾多の年次改良を施されており、928、 928S、 928S2、 928S4、 928GT、 928GTSといったモデルが販売されています。
今回ご紹介するのは、1990年に発売された928GTです。
オーナー様は、高コンディションの個体を中古で入手されたのですが、メンテの対象から外れがちなスピーカーは、ビビリ音を盛大に奏でる始末で、早急な対処をご希望でした。
928のスピーカーレイアウトは全部で10スピーカーで、フロントドアにツイーターと10センチスコーカーの2way、リアサイドにフロントと同じ2way+16cmのウーファーという構成になっています。
交換済みの1DINオーディオデッキとスピーカー群の間には、純正のセパレートアンプが接続されており、
(1)リアのウーファーに出力される信号にはローパス(高域カット)、それ以外のフロント/リヤそれぞれの2way向けにはハイパス(低域カット)が施されている。
(2)2wayスピーカー間の帯域分割は、高域側スピーカーにハイパスフィルタ(コンデンサー)を取り付けることで実現している。
以上2点は既知なので、この前提でサイズと付属フィルターの点でトレードインできるスピーカーを選定することになりました。
以下、コンポーネント紹介です。
○ヘッドユニット
carrozzeria MVH-7500SC(オープン価格)です。
これは御入庫段階で交換されていました。
1DINサイズのオーディオデッキに伸展式のスマートフォン・ホルダーを合体させた製品です。
ホルダーにスマートフォンをしっかり固定した状態で、カーナビアプリ、楽曲再生、通話、メッセージングといった機能を物理ボタン経由で操作するというコンセプトの製品で、2DINを入れる場所が無い、あるいは1DINのデッキレイアウトは維持したまま、スマートフォン経由の通信による利便性を享受したユーザーに好適な製品です。
現在は、ぶれにくい強固なスマートフォンホルダがたくさん販売されていますが、立派であればあるほど後付け感が強まってしまうので、純正のイメージから大きな乖離を望まない方にとって、デッキにホルダーが付属している当機は都合が良さそうです。
内蔵アンプはフロント/リヤの4chで、純正セパレートアンプに入力されます。
アンプからは、フロントhigh、リヤhigh、low(ウーファー)の6系統に出力されます。
○スピーカー
10スピーカーについて、比較的リーズナブルに揃えられるaudionのプリマシリーズを起用しました。
フロント側として・・
audison AP1(ツイーター)
audison AP 4(スコーカー)
リア側として・・
audison APK 165 Ω2(ツイーターとウーファーの2wayセット)
audison AP 4(スコーカー)
・・以上3製品4セットを使いました。
ツイーターとスコーカーは前後同じ構成なので、本来なら全く同じ製品を適用すれば良いのですが、リヤ側には低音域再生用の16センチウーファーが必要なので、こちらにはツイーターとウーファーがセットになった2way製品を用意して、中音域用のスコーカーのみフロントと同じものを入れ込んだということです。
システム図に表現してありますが、単品ツイーターのAP1と、2wayのAPK 165 Ω2にはツイーター用のハイパスフィルターが付属されています。
純正アンプからの出力のうち、ウーファー向け以外のフロント/リヤの2系統にはハイパスがかかり、下限がきまっていますが、さらに高い周波数に下限を設定する必要のあるツイーターの経路に、これらのハイパスフィルターを接続しています。
インストールに関しては、スピーカーのフランジ部分を削ったり曲げたり、純正のブラケットを加工したりと、一定の加工が必要でしたが、いずれも軽度で済んでいます。
以上を持って、ポルシェ928GTのスピーカーリフレッシュが完了しました。
この手の車では事実上の条件となる、純正の外観には一切変更を加えずに仕上がりました。
リーズナブルなスピーカーを選び、ドア防振を省略したこともあり、商品代金とインストール代金を合わせて125,950円(税込)で上がりました。
それでは施工の様子をご覧になってください♪
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メインユニット
carrozzeria MVH-7500SCに交換されていました。
スマートフォンをBluetoothもしくはUSBで接続して、専用のアプリを通すことで、メインユニットとして利用できるタイプのデッキです。
現在のようにディスプレイオーディオ市場が拡大する前に発売された商品ですが、外観の変更を極力抑えつつ、通信の恩恵に預かりたい向きには、今なお好適な製品であると思います。
機能が直感的に類推出来ないボタンで埋め尽くされた現代のダッシュボードに比べて、アナログで平和な風情ですね。特に時計は針表示の方が瞬時に把握出来て好みです。
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フロントドア
作業開始前のドアトリムの外観です。
1995年まで販売されていたとはいえ、この辺の設計・デザインは約半世紀前!の1977年から変わってないようですが、ナナメのダッシュボードへと繋がるドアグリップからの面処理あたりは、今でも通用するほどスタイリッシュです。
スピーカーレイアウトは上述の通り、フロントとリヤそれぞれに2wayが配置され、さらにリヤにウーファーが加えられる10スピーカーです。
フロントの2wayはごらんのようにドアに配されています。
ちなみに、左端の○はドアロック操作つまみです。くるりと回すとロック/アンロックできます。
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ドアスピーカー(交換前)
スピーカーグリルを外したところです。
クラシック−ネオクラシックカーではお約束のカットですね♪
スコーカーの振動板の周囲のダンパーが崩落しています。ツイーターは振動のストロークが小さいこともあり、辛うじて形を維持していますが、かなり硬化している様子でした。
スピーカー周りの樹脂製のフランジは、スピーカーのバスケットと繋がっており(一体成形)、かつ、スピーカーグリルとかみ合って固定する構造になっているため、分解して活用することになります。
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ドアスピーカー(交換後)
スピーカー交換後の様子です。
前カットで触れましたように、純正スピーカーから、周囲のフランジ部分を切り離して、audisonのスピーカーと組み合わせて固定しています。
工作の方法としては、切り離したフランジとドアトリムの間に、ネジ穴部分に加工を施したaudisonスピーカーを挟んでネジ止めする方法ですので、そんなに難易度が高いわけではありません。
ツイーターの方については、フランジ部との結合に接着剤を使っています。
フロントドアの2way用として使ったaudison製品です。
フロント向けスピーカー出力(1ch)に対して、並列で接続し、ツイーター側には製品付属のハイパスフィルターを介在させています。
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フロント用商品写真
フロントドアの2way用として使ったaudison製品です。
フロント向けスピーカー出力(1ch)に対して、並列で接続し、ツイーター側には製品付属のハイパスフィルターを介在させています。
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リアスピーカー(交換前)
リヤ方面に転じて、スピーカーグリルを外したところをご覧いただいています。
リヤには、フロントと同じ2wayのセットと、ウーファーの3つが配置されています。手前の大きいのがウーファーで、左側がツイーター、上端に見切れているのが中音域のスコーカーです。
フロント同様に、可動域の大きなウーファーはかなりヤレていますね。この写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、ダンパー部には、放射状に無数の亀裂が入っています。
リアサイドクォーターには、片側に3つスピーカーが設置されています。
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リアスピーカー(交換後)
audison製品に交換後の様子です。
上述の通り、リヤ側の3ユニットは、audison APK 165 Ω2というツイーターとウーファーの2wayセット商品と、10センチスコーカーAP 4を組み合わせて構成しています。
冒頭の接続図にも有るとおり、アンプからウーファー向けに出力されているローパス信号をウーファーにそのまま接続し、リヤ(ハイレンジ)向けの信号をツイーターと(見切れている)スコーカーに並列で接続しています。
ツイーター側に製品付属のハイパスフィルターを介在させているのはフロントと同様です。
なお、APK 165 Ω2にはウーファー用のローパスフィルターが付属していますが、ウーファー用信号はアンプ段階でローパスされていますし、いたずらに接続すると、(スコーカーとの帯域に空白が生じる)中抜けになる可能性があるので接続していません。
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リヤ用商品写真
こちらがリヤ周りで使った製品です。
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リアスコーカー(交換前)
こちらは、リアのスコーカーです。
説明は前カットで済んでいますが、見切れていたので改めてご覧いただいています。
いい感じに日焼けしていますね。80年代-90年代のポルシェの純正スピーカーのセンターキャップは赤茶けた色に変色しているのが多いように思います。
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リアスコーカー(交換後)
audisonのAP 4に交換したところですね。
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リア周り出来上がり
これが最後の最後の写真です。
スピーカーグリルを付け戻したところです。
全スピーカーをそっくり更新でき、ビビリ音によるストレスに苛まれる日々から脱却できましたので、精神衛生的に健康な状態になったんじゃないでしょうか。 -
作業後記
今回はポルシェの名車928GTのスピーカーリフレッシュメニューをご覧頂きました。
登録から15年、20年・・と経ってくると、メーカー・グレード関係なくスピーカーは劣化してしまいます。
最初の症状は例外なくダンパーからで、硬化してひび割れて、割れ目で接する両端がビビリ音を発生させはじめます。最初は「ん?」というくらいですが、次第に大きくなり、一時期は感覚が麻痺して慣れちゃう時もあるようですが(笑)、最終的にガマンの限界を迎えることになります。
こういった場合、今回の事例のように純正のスピーカーを入れ替えるだけで済みますので、例外なく外観に変化を生じさせずにリフレッシュが可能です。
ただ、せっかくの機会だからということでしっかりとしたバッフルを組んで、ドア防振(デッドニング)を行い、もともとの純正スピーカーを遥かに超える音質にグレードアップするのが主流です。
サウンドアッププログラムによるスピーカー交換は、スピーカー代をいれて概ね10万円台から施工可能です。
今回はフロントスピーカーだけでなく、設置されている10スピーカー全てを交換するという内容でしたので、金額は少し膨らみましたが、防振は省略しましたので、税込125,950円とかなりリーズナブルに上がりました。
これからも長く付き合いたい愛車。
スピーカーの劣化が気になる。。という方はオーディオリフレッシュをどうぞご検討ください。
また、純正のオーディオデッキ/ナビの陳腐化をそろそろなんとかしたいという方もどうぞご相談ください。
ご連絡お待ちしております!
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