ホンダS660Modulo Xのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.807(お問い合わせの際にお伝えください)
model
ホンダ S660 Modulo X
system
メインユニット:センターディスプレー(internavi POCKET連携対応)
デッドニング:フロント、バッフル・スタビライザー・ウエイト
フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO AX165
サブウーファー:carrozzeria TS-WX010A
プロセッサーアンプ:audison primaAP4.9bit
ケーブル:audiotechnica、SAEC
デジタルミラー:MAXWIN MDR-C013B
レーダー探知機:YUPITERU Z1100
comment
ナビの出力を4chDSPアンプに入れて、フロント2wayとパワードサブウーファーを鳴らすシステムです。
Aピラー埋め込みのツイーターがなかなかカッコよく仕上がりました♪
ホンダ・S660の事例紹介です。
S660は1996年に販売を終了したビート以来、約19年ぶりに復活した軽規格の2シーターオープンスポーツカーです。
軽自動車ながら、ミッドシップエンジン・リアドライブ(MR)レイアウトを採用して高い旋回性能を有する他、軽自動車初の6速MT、スポーツモードへ切り替えが可能な7速パドルシフト付CVTを設定するなど、かなり意欲的な造りになっています。
また、吸排気音、ターボチャージャー作動音、ブローオフバルブ音などに独自のサウンドチューニングを施すなど、感性に語りかける味付けにもこだわり、走る楽しさをとことん追求したスポーツカーに仕上がっています。
生産開始は2015年で、2022年4月に惜しまれながら販売終了を迎えましたが、熱狂的なファンに支持され、中古価格も高値で安定しているようです。
今回紹介するのは、メーカーチューンのコンプリートカーブランドである「モデューロX」のモデルで、その中でも更にパフォーマンスとデザインをブラッシュアップした限定モデル「Version Z」仕様の一台です。
オーナー様はポルシェGT3、ラングラージープ、N-VANなどなど数多くのお車をお預けいただいているお客様で、増車となるこのクルマについても、「プランはおまかせ♪」でご用命いただきました。
プランについては、純正の操作性はできるだけ犠牲にしたくないという方なので、純正のセンターディスプレーは変えずにアンプ内蔵DSPによって音作りを行い、音の出口の方は、フロントスピーカーを2way化し、コンパクトなパワードサブウーファーを加えてまとめる内容でご承認いただきました。
以下、コンポーネント紹介です。
◯ヘッドユニット・DSPアンプ
ヘッドユニットはセンターディスプレー式のナビです。
S660には純正リヤスピーカーがありませんので、実質2chで足りますが、オプションで付けられるようで、ナビの出力は4ch用意されています。
今回はフロントスピーカー出力をDSPアンプに入力します。
DSPアンプはaudisonのAP4.9bitを使います。2023年12月時点では廃盤商品となりましたが、デモボードで頑張っていた商品を「展示品価格」にてご提供させていただきました。
DSPに内蔵されている4chアンプを使って、フロント2way(ツイーター・ウーファー)を鳴らします。
◯スピーカー
当店人気ブランドのBLUE MOON AUDIOのAX165(税込93,500円)をお選びいただきました。
フラッグシップのRX165(税込198,000円)、ベースモデルのSX165(税込48,400円)の中間に位置し、「よくできた楽器のようにクセのない原音再生を目指す」ブルームーンオーディオのポリシーをしっかりと体現しているモデルです。
・取り付けについて
ウーファーの取り付けは、MDFのリングバッフルを介して、インナーバッフル形式でしっかりと取り付けました。
ツイーターについては、純正がツイーターレスのため、Aピラーに埋め込み取り付けしました。(なかなかかっこよく出来ました)
・スピーカー周りの防振について
ドア全体、並びにドア周りの振動は、スピーカーの振動板の正常な動作に悪影響を与えます。伝統的な対応策であるドア全体のデッドニングに加えて、更なる改善のために、バッフル・スタビライザー・ウエイトを取り付けました。
これはスピーカーバッフルの裏側(ドアの中)に取り付けるウエイトで、スピーカーの振動板が前後に動作する際、その反動によってスピーカーバスケットが逆方向にブレて、振動板の振幅の一部が相殺されてしまう現象を防ぐことを目的としています。
一つ320グラム程度のウエイトを、スピーカーバッフルの固定ボルトに共締めし、スピーカー固定部周辺の質量を増加させることで、振動板の動作により生じていた反動を吸収し、振動板の安定した動作を可能にします。
全帯域の基調を決める低音域の規律がキチッと整うことで、低域は伸び、中高音域のディテールがきれいに表現され、音場は広くなり、音像がクリアにまとまるといった目覚ましい効果が得られます。
◯パワードサブーウーファー
カロッツェリアのTS-WX010A(オープン価格)を使いました。
これは近年発売された新製品で、クロスポイント以下の低音域を全体的に受け持つような従来のパワードサブウーファーとは異なり、100Hz近辺の周波数をピークとした、ウーファー(ドアスピーカー)寄りの低域を補強することで、アタック感・ビート感を演出するという新発想の製品です。
くぼんだ形をしている助手席の足元に設置して鳴らすことで、ホーン効果による音の広がりを狙っているのがミソで、230 mm (W) × 70 mm (H) × 116 mm (D)と小ぶりなボディへの期待値を超える驚きをもたらしてくれます。
助手席の足元を大きなホーンをして活用することで、軽の車格に似つかわしくない、厚みのある楽しげなビートを聞かせてくれます。
◯デジタルミラーとレーダー
後方視界がなかなかキビシイということで、MAXWINのデジタルミラーMDR-C013Bを取り付けました。
この製品にはリアカメラも含まれているので、ちょっと工夫してロールバー部分に取り付けました。
レーダー探知機はYUPITERUのZ1100(指定店モデル)をお求めいただきました。
そんなに広くないダッシュボードを混雑させてはいけないので、フロントガラスの上端部分に吊り下げるような感じで取り付けました。
以上を持って、ホンダの名車S660のサウンドアップが叶いました。
DSPアンプにフロント2wayスピーカー、パワードサブウーファーと道具が揃い、デッドニング、バッフル・スタビライザー・ウエイトにツイーター埋め込み、デジタルミラーにドラレコ取り付けと盛りだくさんでしたので、総予算561,550円(税込)となりました。
それでは施工の様子をどうぞご覧になってください♪
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フロントドア
仕事に熱中するインストーラー。と理解していただければ幸いです。。
ドアの写真を撮り忘れました!ので、ホンダのサイトから拝借しました。
部分写真ですので全容がお伝えできず恐縮ですが、一般的なドアトリムに見られるような革シボを表現したベースに対して、部分的にカーボン柄を表現したコンビになっています。(お預かりした車は特別仕様車なので赤レザーです)
スピーカーレイアウトは上述の如く、フロントのフルレンジのみで、リヤはオプションで追加出来るようになっています。
今回は、写真のスピーカーグリル内にウーファーを入れて、Aピラーにツイーターを埋め込むことで、2way化を行います。
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アウターパネル作業
ドアトリムを外して、アウターパネルの作業を終わったところです。
ドアトリムを外すと、サービスホールがビニールシートで塞がれています。
ビニールシートはホンダ特有のブチルゴムで接着されており、除去が非常に手間です。。
ブチルゴムとの格闘に勝利し、大量のワコーズ・パーツクリーナーを使って清掃と脱脂を済ませたら、アウターパネルに短冊状にカットした防振材を貼ります。
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インナーパネル作業
インナーパネル側の作業が終わったところです。
バッフルにスピーカーを固定して、サービスホールを防振材で塞いだらドアの作業は完了です。
冒頭のシステム図の配線経路の表現では、説明を省いているのですが、分解の工数を省くために、DSPに入力する信号の取り出しはデッキ裏からとらず、ドアスピーカーに向かう純正スピーカーケーブルから取っています。
具体的には、4芯線をドア内に引き込んで、そのうち2芯を純正スピーカーケーブルにつないでDSPへの入力のための経路とし、残りの2芯をドアスピーカー(ウーファー)への出力経路とします。
こうすることで、DSPへの取り込みとウーファーへの出力を4芯線一本で済ませることが可能になります。
なお、ツイーターへの出力は、一般的な2芯線で直接つなぎます。 -
バッフル・スタビライザー・ウエイト設置
時間を少し戻して、スピーカーバッフルの裏側からの写真を御覧ください。
2カット前の工程で、スピーカーの土台となるMDF製のバッフルボードを取り付けましたが、その際に通す固定用ボルトの裏側に「共締め」する格好でバッフル・スタビライザー・ウエイトを取り付けました。
車によってボルトの数は3本or4本と異なります。ホンダ車の場合、純正の穴は3つなので原則は3本ですが、今回はバッフルを強固に固定するためにボルト4本で留めていますので、ウエイトも4個取り付けています。
バッフルボードの真裏におもりを取り付けて、スピーカー周辺の質量を増加させることで、振動板の動作により生じていた反動を吸収し、スピーカーバスケット・バッフルボード・ドア鉄板のブレを抑制することで、振動板の安定した動作を可能にします。
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ツイーターピラー埋め込み
ツイーター取り付けの様子です。
取り付け方法の検討段階では、ダッシュボード上に置く(オンダッシュ)方法も考えました。しかしながら、運転席側のメーターパネルと右側のピラーとの位置関係が近く、ダッシュボード上にツイーターを置いた場合、左右を揃えるのは無理がありました。
ということで、Aピラーへの埋め込みを行うことに決まりました♪
工法としては、ツイーターを受けるためのアクリル製のリングを取り付けて、パテで整形し、仕上げてから合成皮革を貼る方法を取っています。
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パワードサブウーファー
助手席の様子です。
ここには、carrozzeriaのTS-WX010A(オープン)を設置しました。
冒頭でも触れました通り、ウーファー(ドアスピーカー)とのクロスオーバーポイント以下の周波数帯をまんべんなく鳴らす、従来からあるいパワードサブウーファーとは違って、「BASS SOUND CREATOR」の名の通り、低音域にメリハリを与えることを目的に、100Hzあたりをピークとしたポップな低音を聴かせてくれるユニットです。
設置場所は助手席の足元を想定した商品で、くぼみをホーンとして活用して音を響かせる設計になっています。
今回のクルマの場合、助手席にはほとんど人が乗ることが無いらしく、乗っても奥様は小柄なので設置に抵抗はない様子でした。
なお、撮影の時はフロアマットをめくっていますので、実際は商品が見えることはありません。
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助手席後ろ
助手席の後ろの様子です。
ここの部分にどういう名前が付いてるのか調べもしないまま、ずいぶんと営業年数を重ねてしまいました。
ただ、エンジンルームと室内を隔てる壁は「バルクヘッド」という呼び方をしますので、ミッドシップのこの車のココはそう呼んで良さそうです。
ここにはDSPアンプを設置しています。
4チャンネルアンプ内蔵DSPなので、フロント2wayスピーカー(4ch)を内蔵アンプで鳴らして、パワードサブウーファーはプリアウト出力で鳴らしています。
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デジタルミラー&レーダー探知機
ミラー周りの様子です。
MAXWINのデジタルミラーMDR-C013Bは、純正ミラーにバンドで固定するタイプです。
デジタルミラーですので、後方の映像を捉えるためのカメラがセットになっています。SDカードを挿入すれば、カメラの映像を記録できるようになっています。後方専門のドラレコということですね。
奥(運転席側)に見えるのがレーダー探知機です。
天井から吊るすように設置しています。ダッシュボード上に置きたくない場合はこういう取り付けもアリですね。
リヤカメラの取り付け状況です。
オープンカーの場合、トランクリッドかナンバー灯の辺りにしか付けられませんが、この車の場合、タルガトップのようなルーフ形状をしているので、車両のピッタリ中央に取り付けることが出来ました。
製品の仕様としては、両面テープのみで取り付け完了!ということになっていますが、シボ付きの樹脂相手だと、そうそうに落下してきますので、結束バンドで落ちないように固定しました。(内装への穴あけは了承していただいております)
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電源取り出し
最後はバッ直線の取り出し状況です。
バッテリーがあるのはボンネットの中。という点では他の車と同じなのですが、ミッドシップレイアウトなので、エンジンはドライバーの後ろにあるのが他と大きく異なっている点です♪
ちなみに、ボンネットを開けてもすぐ、バッテリーが見られるわけではなく、ルーフ収納用のケースを取り出して初めて、バッテリーが露出する構造です。
いろいろ変わっていて楽しいですね。
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作業後記
今回はホンダの人気者!S660のサウンドアップ事例をご覧いただきました。
軽であれ、登録車であれ、オープン系の車は「高音質が望めない」と認識されているようです。
屋根を開けて走る様子をながめるだけのギャラリーの方にとっては、そう思っちゃうのも無理はないかなと思いますが、意外とオーナー様も最初から諦めている方が少なくありません。
確かにオープンカーは幌を空ければ外部のノイズが入り放題ですし、幌を締めた状態にあっても、クローズドボディに比べて遮音性は低いです。
しかしながら、しっかりと防振を行って音の土台を作り、ツイーターでディテールを整え、いわゆる「ステージング」がそれなりにできたシステムだと、これは一般の方の想像を超える「立体感のあるサウンド」を体感できるようになるのです。
さらに、今回のようにサブウーファーで低音域をしっかりつくってやると、音場が広がり、中高域がさらに立ち上がりますので、少しボリュームを上げてやれば、クローズドと遜色ない音が楽しめるようになります。
オープン系の車にお乗りのオーナー様で、しっかり楽しめるサウンドをお求めの方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
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