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フェラーリ360モデナのオーディオインストール事例

サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>

  • 事例No.759(お問い合わせの際にお伝えください)

    model

    フェラーリ 360モデナ

    system

    メインユニット:carrozzeria DEH-970
    デッドニング:フロント
    フロントスピーカー:BLUE MOON AUDIO SX165
    リアスピーカー:なし
    パワーアンプ:内蔵アンプ
    ケーブル:SAEC

    comment

    カロッツェリア1DINデッキでフロント2wayをマルチで鳴らすシステムです。
    内蔵アンプですが、一通りのDSP機能を積んでいるので十分に楽しめる音場が得られました。

  • ダッシュボード


フェラーリ・360モデナの事例紹介です。

フェラーリの車種構成は、重量級のV12・FRと、スポーティなV8・ミッドシップの2つのカテゴリに分かれており、今回登場のモデナ360は後者に属するモデルです。

V8の系譜は、1976年の308/308GTBに始まりました。
次いで328(1985年)、その後は348(1990年)、348GTB/GTS(1993年)、360モデナ(2000年)、F430(2004年)、458イタリア(2009年)、488GTB(2014年)、F8トリブート(2009年)という変遷をたどり、今に至っています。

モデナの名前の響きは、多くの男子の記憶に刻まれていると思います。
前モデルの348GTBのボディラインは、フェラーリ独特の流線型を基調としながらも、フロントエンドとリヤエンドはソリッドな直線で処理されているのに対して、このモデナはサイドスクープ付近を除いて全く直線がない、とてもエロティックな体つきをしており、新世紀を控えたミレニアムなタイミングで、フェラーリの新時代の幕開けを予感させるデザインは、多くのカーマニアの心を鷲掴みにしました。


今回お迎えするのは、ブルーツールドフランス・カラーが勇ましい一台です。

この個体は中古でご購入なさったとのことですが、スピーカーの音割れ症状が著しいため、スピーカーを交換したいとのことでご相談いただきました。

ご来店のご予約を頂いて、症状を確認させていただいたところ、高音域と低音域が極端に低く、ビビリ音も著しく、スピーカーのエッジ(ダンパー)が相当損傷・・・というより崩壊を連想させる音がしていました。
しかしながら、デッキはカロッツェリアの名機DEH-970に交換済みであったため、スピーカーをリフレッシュして、2wayマルチで鳴らせば、相当な改善効果を体感していただけるだろうと感じました。

足下はこういう惨状(失礼)でしたが、オーナー様は大きめのボリュームで楽しみたい♪とのご意向でしたので、デッドニングによる環境整備込みで、スピーカー交換を行うこととなりました。

○ヘッドユニット
上述のとおりカロッツェリアのDEH-970です。
この時代のフェラーリには、1DIN規格のデッキ取り付けスペースが設けてあり、容易に交換が可能です。
お預かり時点で交換されていたので、純正デッキがイカれた、、というよりは並行輸入のデッキのラジオチューナーが満足に使えないので交換した。という線の可能性が高そうな気がします。(詳細は伺ってません)

この製品はすでに型落ちになってしまいましたが、主要なセールスポイントの一つが、選択式のスピーカー接続モードで、ネットワークモードとスタンダードモードから選べるようになっている点です。
スタンダードモードでは、内蔵4chアンプを、フロント/リヤの4chに振り分け、必要に応じてパワードサブウーファーも追加できるという、ごく一般的なスタイルですが、ネットワークモード選択時は、内蔵4chアンプをフロント2wayに割り当ててしまい、左右のツイーターとウーファーを個別に制御する「マルチ接続」が出来るようになっています。

お預かり時点では、スタンダードが選択され、片側当たり1chでツイーターとウーファーを鳴らす方式でしたので、今回のスピーカーリフレッシュを期に、ネットワークモードに切り替えてマルチ運用することとしました。

○スピーカー
当店人気のブルームーンオーディオのSX165(税込48,400円)です。

同ブランドの2wayスピーカーシリーズはフラッグシップのRX165、ミドルグレードのAX165、ベースグレードのSX165と3グレード展開となっており、同ブランドのエッセンスをリーズナブルにお楽しみいただけるSX165をお選びいただきました。

このクルマのウーファー(ドアスピーカー)は、ドアトリム(内張り)側に取り付けられており、いざ交換となった場合は、極力、純正スピーカーが留まっていたネジ穴を活用したいわけですが、当然のように大概の社外スピーカーは純正のネジ穴に合わないので、フィッティングのために何らかの手を加える必要があります。
第1選択肢は、薄手のバッフルを介在させて、純正のようにドアトリムに取り付ける方法です。しかし、スペースの余地や構造の都合で、その方法が取れない場合の第2選択肢は、インナーパネル(ドアの鉄板)側からバッフルを立ち上げて取り付ける方法をとることになります。

第2のほうは、少し工賃がかかってしまいますが、スピーカーバスケットをしっかり取り付けられるので、純正同様にドアトリムにつけるよりもだいぶ音が良くなるメリットはあります。(事例1:F430/事例2ルノー・メガーヌ)しかしながら、第1の方で済むなら、加工度が低い分、工賃も節約できますので、これはこれで価値があります。

今回は、ドアトリムをめくってみて、すんなり行きそうだったら第1で。もし加工が必要そうなら、第2選択肢の予算をご容認いただく。ということでご了解いただきました。(結果は本編で♪)

以上を持って、モデナのスピーカーリフレッシュを実施しました。

約20年間の酷使に耐えて、グズグズになってしまった純正スピーカーとの比較ですから、新しいものなら何であっても改善はするわけですが、そこはプロショップです!しっかり防振して、固定もちゃんとして環境を整えることで、与えられた条件下での最善のパフォーマンスを引き出すことが出来ました。

それでは施工の様子をどうぞご覧ください♪

  • フロントドア

    それではドアの外観チェックから始めてまいります。

    明るいベージュカラーのレザーに包まれて、ラグジュアリー感満点のドアですね。
    こういうカラーのレザーは、張り替えるか、塗装で補修するかしない限り復活しないので、とても丁寧にメンテされてきた個体だと思います。手垢も見当たりません。

    このクルマのスピーカーレイアウトはフロント2wayのみで、リヤ方面には配置されてありません。
    ウーファーはシルバー部分の右下、ツイーターはドアミラーの裏という、王道レイアウトです。
    今回、この2wayを交換して、それぞれに別の信号を入力してマルチ運用するので、各ドアに2本(2組)のスピーカーケーブルを引き込むことになります。

  • ドアトリム取り外し

    ドアトリムを外したところです。

    欧州車定番のスポンジシートによって、インナーパネル全体が覆われています。
    いくらメンテがよくても、このシートの程度は良すぎですね。おそらく、補修などの用で張り替えたのかな?などと感じました。

  • スピーカー取り付け条件チェック1/2

    スピーカーの取付方法を確定させるために、スピーカー取付部のチェックをしてるところです。
    ドアトリムから、純正スピーカーとスピーカーグリルを外し、交換予定のSX165にあてがってみます。

    冒頭で触れましたように、お客様にご同意いただいた条件は、
    (1)純正スピーカーと大差ない寸法であれば、軽加工を施して、(純正と同様に)ドアトリム側に取り付ける。
    (2)しっくりこないようであれば、ドアのインナーパネル(鉄板)にバッフルを組んで取り付ける。
    という条件でした。

    ユニットの直径がそこそこ合っていて、ネジ穴を結ぶ中心線が似たような直径に収まっていれば、(1)という判断。乖離が著しければ、(2)の判断になりますね。

  • スピーカー取り付け条件チェック2/2

    かぶせてみると、ぴったり合体するではありませんか!
    ネジ穴までピッタリで、これはなかなかの低確率。おめでとうございます♪

    ということで、一切のフィッティングパーツなしで、ドアトリムに設けてあるネジ穴で取付可能!ということになります。
    それではドア防振に移っていきましょう。

  • スポンジシート除去

    スピーカー取付方法も決まったところで、スポンジシートを剥がしていきます。

    ドアガラスを上下させるレギュレーターがキラキラと綺麗ですね。
    歯車や摺動部に塗りつけてある白いグリスも、夏の扉のようにフレッシュ・フレッシュなので、おそらくこれを交換したのではないでしょうか。
    インナーパネル側は年式相応の風情なので、ドアの板金をやるような事態は経験してないだろうと推測します。

    このドアのスピーカーは、一般的なクルマのようにインナーパネル(鉄板)側に固定されているのではなく、ドアトリム側にネジ止めされており、上述のとおり、純正と同じ方法でスピーカー交換する条件ですので、インナーパネルとドアトリムを両壁とする空間を、スピーカーのエンクロージャーとして機能させることになります。

    したがって、写真の奥に見えているアウターパネルはそのままにしておいて、インナーパネル側を防振材で全面的にふさぎ、もう片側の壁となるドアトリムの裏にも防振材を貼って「ハコを作る」というアプローチをとることになります。

  • インナーパネル作業

    インナーパネル側の作業が終わったところです。

    ご覧のように、まさに全面を覆いました。

    ケーブル類は、所定の位置から引き出せるように穴を開けて処理しています。
    写真だとギラギラしてわかりにくいかもしれませんが、スピーカーが収まる位置は、カップ状に成形して逃げを作っています。
    この防振材は、ある程度柔軟性がありますが、いいところ10%くらいしか伸びませんから、ぐいぐい伸ばしてもここまでヘコんだりはしません。よって、カップ形状になるように材料を切り貼りして形を作っています。図画工作の世界ですね。

  • ドアトリム裏の作業

    ドアトリムの裏側の作業が終わったところです。

    樹脂製のドアトリムに防振材を配置しました。
    裏側の補強リブが全くないのに、内張りとして機能していることから類推できるとおもいますが、強度を出すために結構な厚みがあります。よって、今の車の内装パーツに比べて重量もそこそこあり、結構ずっしりとしています。
    さらに防振材を貼ることで、なかなか頼もしい壁になってくれそうです。

  • スピーカー裏の様子

    ドアトリムを戻して、スピーカー取付部を確認しているところです。

    スピーカー背面のマグネット部分が収まり、かつ、空気の出入りが出来るくらいの余裕が確保できています。

  • スピーカーのフィッティング

    スピーカー配線をして、スピーカーを取り付けたところです。

    ドアトリムも仮合わせしてみましたが、まさに純正トレードインキットのように、ピッタリ収まりました。
    この後、シルバーの金属製の化粧パネルを戻して、ツイーターを取り付ければ終わりですね。

  • スピーカー配線引き込み1/2

    半歩、時間を巻き戻して、スピーカーケーブルの引き込み作業を御覧ください。
    そこそこ手間がかかっているので、公にマウンティングして元を取ろうと思います(笑)

    結論から言うと、純正のゴムブーツを介する既定の路線を通すのではなく、途中から脇道にそらして配線しています。
    マウンティングにトルク感を持たせるために、説明入りの写真をこしらえてみました。

    ドアのヒンジ部分を写した写真です。
    ボディからドアに向かうハーネスは、このゴムブーツ内を通っており、かつ、ドア側はカプラ方式になっています。
    古めのクルマや、組立工程の効率化がそんなに進んでいないクルマだと、ブーツは単純なトンネルで、その中にハーネスが通してある方式をとっていますが、これは片側がカプラになっているので、ドア側はパチンとはめるだけで済み、組立時の手間が減らせます。

    このカプラ方式にクルマにスピーカーケーブルを通す場合、スピーカーケーブルの外側の皮膜を外して細くして、カプラの中に並んでいる端子(コンタクトと呼ばれる)に空きがあるところを見つけて通すという手間を掛けるんですが、空きがない場合はこの手が取れません。

    こういう場合、今回のように、カプラの手前でゴムブーツの外にスピーカーケーブルを引き出し、ドア側に小穴を空けて通す。という手を取ります。
    当然ながら、(1)通せない場合は穴を開ける。(2)穴はペイントで塗って錆止め処理する。点は、お客様にあらかじめお伝えしてあります。

  • スピーカー配線引き込み2/2

    カプラー周りのアップです。

    ゴムブーツからスピーカーケーブルを出す。と表現しましたが、ブーツを切っているわけではありません。
    ブーツの終端がカプラに被さるポイントで、スピーカーケーブルだけ脇に出して、根本をタイラップでしっかりしばって止める。という方法です。

    ドア側の加工については、小穴を開けて、ペイントして防錆処理し、ゴム製のグロメットを付けてケーブルを通しています。
    通すものを通して、出来上がりと同じ状態にしたら、ドアの内側からコーキングを打って、雨水侵入をシャットアウト(死語)します。
    ここまで手をかけておけば安心ですね。

  • 純正ツイーター

    最後はツイーター関係で3カットです。

    最初は純正ツイーターです。
    ツイーターは、ウーファーに比べて音の劣化が目立ちません。
    今回も然りですが、下端に見えるコネクタ防護のためのスポンジはモロモロで、見た目はかなりショボくなっております。

  • ツイーター比較

    新旧比較です。

    左の純正ツイーターは、外形こそ大きいですが、中身は思いの外小さかったです。
    それに比べると、SX165のツイーターは、シルクドーム部は当然のこと、外形においても一回り大きいですね。(製品としては小型の部類なのですが)

  • 純正位置ツイーター設置

    差し替え後の状態です。

    純正よりも大きいため、周囲の固定用ツメ等を削り落として下ごしらえし、なんとか収めました。
    固定は耐熱性をもたせた接着剤で行っています。

  • おまけ画像:純正スピーカー

    今回の作業を持って、めでたく退役の時を迎えた純正スピーカーです。
    20有余年のお勤めご苦労様でした。

    コーン部分は黒くて綺麗に見えるので、遠目ではわからないかもしれませんが、時計でいうと11時から8時までの270°の間は、コーンの外周のゴム製ダンパーがすっかり崩落してしまってるんですね。

    ここまで保持材がなくなってしまうと、振動板の外周部はバタバタするだけで、コイルがついている中央部だけしか仕事をしませんから、高音と低音が抜けた中音域だけの音になってしまいます。
    また、外周部は高めの周波数でビリビリとビビったりしますから、だいぶ不快だったことでしょう。

  • 作業後記

    今回はフェラーリ・360モデナのスピーカー交換の事例をご覧いただきました。

    1DINデッキは交換済みでしたので、劣化しまくったスピーカーを交換し、デッキの出力モードを変更するだけで、十分楽しんでいただける水準に引き上げることが出来ました。

    フェラーリ車は、総じてインストールスペースが少ないので、スピーカー交換以外のシステムアップに制約がありますが、コンパクトな製品を選べば、騒がしいエンジン音や外来ノイズの中でも、十分に音楽を楽しめる環境を作ることが出来ます。

    以下に、360を含む、F430以前の1DINデッキを持つフェラーリ車で考えられるオーディオグレードアップのプランをお示しいたします。

    (1)ヘッドユニット
    純正のヘッドユニット(セパレートアンプ含む)のスピーカー出力から・・・
    (1)-1 1DINユニット交換
    今回のように、社外の1DINデッキに交換します。
    カロッツェリアの製品(DEH-6600/MVH-6600/DEH-970)であれば、今回のようにネットワークモードを選択することによって、内蔵する4chアンプでフロント2wayマルチを組めますし、十分に実用に耐えるDSP機能ももっていますので、なかなかコスパが良いです。
    当然ながら、スマホのブルートゥース接続とハンズフリー通話環境も同時に手に入るので、この点もメリットあるんじゃないでしょうか。

    (1)-2 外部DSPをやりたい場合
    PLUG&PLAYのPLUG&PLAY 1080(税込126,500円)という製品が手頃です。
    純正デッキ・あるいは交換後の社外デッキのスピーカー出力を取り込んで、最大10chまでの出力ができますので、フロント2way+サブウーファーまで含めて、こだわりの音作りが可能です。

    (2)スピーカー
    今回の経験で、SX165がドンピシャなのが分かりましたが、これ以外でも、(ドアトリム側ではなく)インナーパネル側への取り付けまで視野に入れれば、極端にマグネットの大きな一部ハイエンド製品を除けば、なんでも対応可能です。
    純正のスピーカーグリルの中でベストポジションに収まるように取り付けて、入念デッドニングで防振します。

    (3)パワードサブウーファー
    16-17センチクラスのスピーカーをきちんと付けてデッドニングすれば、しっかり低域は伸びるものなのですが、エグいスポーツカーの場合かなり爆音なので、当たり前のようにサブウーファーをご希望になるお客様が多いです。
    そういった場合に便利なのがパワードサブウーファーです。シートの後ろの壁に沿うように立てて固定すれば、なんとか設置可能です。

    大変ざっくりで恐縮ですが、以上がフェラーリ向けの最小コンポーネント数で組めるオーディオシステムプランです。
    フェラーリ・オーナー様はどうぞご検討ください♪

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