アバルト124スパイダーのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
-
事例No.664(お問い合わせの際にお伝えください)
model
アバルト 124スパイダー
system
メインユニット:フィアットコネクト7.0
ドアチューニング:フロント
フロントスピーカー:BLAM S 165.80
ケーブル:kaiser swingcomment
フロント2wayをサウンドアッププログラムをBLAMのハイエンドスピーカーに交換しました。
アバルト124スパイダーの事例ご紹介です。
アバルトはフィアット車をベースとしたチューニングカーの開発・販売を目的に発足した会社です。
創業は1949年で、1971年に車両供給元であるフィアットに買収されました。その後、フィアットとクライスラーのFCAグループ(持株会社)が結成されるのと前後して、アバルト&C.という社名で切り出される格好となり、現在は同グループ傘下の一企業という状態に落ち着いています。
アバルトが手掛けている最近のフィアットベース車では、おなじみフィアット500(チンク)ベースのアバルト500系が主力ですね。そのホットモデルのアバルト595、595をベースとして、時折企画される限定車の695とバリエーションも豊富です。
この500系に合流したのが今回のアバルト124スパイダーです。
マツダロードスターと共通の車台をもつフィアット124スパイダー(日本未発売)ベースのアバルト版モデルです。
発売が2016年で5年弱経ちますので、時折ご入庫頂く機会があり、当エントリで2台目になります。
今回のメニューはサウンドアッププログラムによるフロント2wayのスピーカー交換+デッドニングです。
ヘッドユニットには手を付けず、ヘッドから出ているスピーカーケーブル〜スピーカーまでを入れ替え、いわゆる「音の出口のグレードアップ」を行いました。
川上にあれこれお金をかけるのに比べて、より高効率で音の変化率が引き出せる、もっともコスパの高いメニューです。
以下、ざっとコンポーネント紹介です。
○ヘッドユニット
この車のヘッドは「FIAT CONNECT 7.0」と呼ばれるインフォテイメントシステムによって制御されています。
基本装備は、FM、AMラジオ、Bluetooth、AUX、USB(x2)で、CD/DVDプレーヤー+フルセグ地上デジタルTVチューナーはオプションのようです。
また、7インチタッチパネルディスプレイが搭載されているので、ナビゲーション用SDカード専用スロットも装備されています。
スピーカー構成はフロント2way+運転席ヘッドレストに2つで、数としては6スピーカーということになります。
ただし、ヘッドレストの2つはハンズフリー通話時の相手の声と、オプションナビの音声出力専用なので、オーディオ♪出力はドア周りの2way(4スピーカー)の仕事です。
なお、フロント2wayのためのアンプはセパレート式になっていて、運転席のキックパネル下に設置されています。
○スピーカー
新興フレンチブランドBLAMの2wayモデル、S 165.80(税込79,200円)を使いました。
もう新興という段階は脱してますね。フランスの名門FOCAL出身の技術者さんが立ち上げたブランドで、発売以来、順調に支持を集めてきており、セールスも好調です。
同社のスピーカーはエントリクラスのRELAX、ミドルクラスのLIVE、ハイエンドのSignatureの3グレード構成をとっており、今回のS 165.80はSignature枠の製品です。
どのブランドも最上位に持ってきているクラスはジャンルを問わないパフォーマンスを見せますが、フランス系ならではの中音域の情報量の多さとぬくもり感を大切にしながら、中低域のパンチ感も兼ね備えた現代風の色彩を魅せてくれます。
接続は純正セパレートアンプから付属のネットワークに入力し、ドアのウーファーとピラーのツイーターに分岐させています。
ドアチューニングでエンクロージャー化したドアに、ちょっとリッチなハイエンドスピーカーを迎え、シンプルでコスパの高いサウンドアップが実現しました。
施工の様子をどうぞご覧ください♪
-
フロントドア
フロントドア外観です。
ダッシュボードは、レザー素材や赤ステッチが配されているのですが、ドア側は至って質素です。
形状の点では、ロードスターと違って、肘掛けの下部分をスラントさせて広さを演出してあるようです。
それに伴って、手をかける部分が省略された分、メタリックのハンドルバーが装着されています。
ドアトリムのアウトライン(外形)はいっしょでも、金型から変えちゃうとガラッと印象が変わるものですね。
-
ドアトリム取り外し
まずはドアトリムを外します。
いざハダカになってしまうと、流石に差がありませんね。
純正スピーカーは17センチ相当、サービルホールはモジュールパネルで塞がれています。
蓋のないサービスホールを防振するのに比べて、樹脂パネルがある方が、「骨」がある分、膨らみと収縮による損失が抑制されるメリットがあります。
-
アウターパネル防振
アウターの防振が終わったところです。
樹脂パネルとスピーカーを外して、清掃と脱脂を済ませたら、アウターパネルを防振します。
使用する材料は、当店のドアチューニング用として設定しておりますオーディオテクニカのアクワイエシリーズです。
アウターパネル側には、丸くカットされたAT7560Rを6枚使用します。
5枚を標準としておりますが、ドアの大きな2ドア車や、ワンボックス車などは、1枚多く使用しています。
純正スピーカーは取り外し、助手席のキックパネル部分に設置したネットワークを起点とするスピーカーケーブルを引き込んでおきます。
-
インナーパネル作業
インナーパネルが終わったところです。
MDFで制作したバッフルをしっかりとボルトで固定して、BLAMのウーファーを取り付けます。
バッフルは筒の内側を奥に行くにつれて広くなるテーパー状に加工し、スムースに振動板の背圧が抜けるように配慮してあります。
バッフル全体は防水効果の高い黒サフェーサーを使って塗装し、音抜けのための平滑さとダメ押しの防水効果を狙って、内側にアルミガラスクロステープを貼ってあります。
スピーカー装着後、サービスホールに樹脂パネルを戻し、長方形にカットされた防振材のAT7550Rを適宜配置します。
-
標準位置ツイーター取付
最後はツイーターの取り付け状況です。
純正のツイーターはAピラーの下側についていますので、同じ位置で差し替えを試みました。
BLAMのツイーターのハウジングから中身を取り出すと、純正ユニットと大差ない大きさでしたので、ご覧のようにきれいに収まりました。
固定には、エポキシ系の接着剤を使っています。一定の負荷までは粘りのある固着力を発揮し、耐熱性もあってクルマの用途に向いています。
それほどタフでありながら、一定以上の力をかけるとキレイに剥離させることができるので、純正戻しにも都合よし♪ときていて、小物接着には手放せない材料です。
-
作業後記
今回はアバルト124スパイダーのサウンドアッププログラムによるスピーカー交換事例を御覧いただきました。
今回はアンプやDSP、サブウーファーといった道具が登場しませんでしたので、コンテンツとしては多少地味だったと思いますが、これがまず最初にやるべき第一歩であり、かつ、最もコスパが高いフェーズです。
社外ナビなり、DSPなり、信号の再生や増幅、調整の分野の機器はとくにキラキラ☆してますので、ややもするとそちら側を優先したくなる誘惑にかられがちです。また、スピーカー交換をやる場合でも、地味な防振は安く適当にすませて、目に見えるアイテムに予算を回したくなったりしがちです。
しかしながら、どんなに素晴らしく信号を整えても、最終的に「空気の振動に変換するプロセス」に不備を抱えていると、一応ひずみやノイズのない「まあまあ聴ける最低限の音」さえも獲得することができなくなります。
スピーカーも替えてみたけど・・・
・なんとなくビビる。
・ディテールがあまい。
・低域が伸びず、中高音域が目立つ。
・大きくすると純正の時と同じくらい、あるいはそれ以上にうるさい。
・大きくすると割れる。がなる。
こういった症状はスピーカーの固定がしっかりできてないか、防振に不備(ビビリ箇所の見逃し、防振材不足・不均衡、圧着不足)があるかのいずれかが原因です。
何はなくとも、まずしっかりとしたスピーカー取り付けと防振。ここから始めてください。
見えるところばかり金をかけてコスパを落としたり、不完全な取り付けで楽しめずQOLを下げてしまったりといったことにならないよう、賢明なご検討・ご判断をお願いします。
ご相談はお気軽にどうぞ♪
電話もお気軽に♪03-5913-8450です!