AMGGLE 63S 4MATICのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.594(お問い合わせの際にお伝えください)
model
AMG GLE 63S 4MATIC
system
メインユニット:純正COMMANDシステム
デッドニング:フロント、リア
スピーカー群:純正harman/kardon14スピーカー
comment
オーディオステップアップの第一歩として、フロント・リヤのデッドニングを行いました。
音響面の整備と並んで静寂性の確保も視野にいれて、通常の防振材以外の材料も併用しました。
AMGのGLE63Sのダッシュボードです。
メルセデスGLEクラスのAMGバージョンのクルマです。GLEの頂点モデルだけあって、V8 5461ccのツインターボ、585馬力。お値段1870万円(税込)という超ラグジュアリーSUVです。
大変古くからお付き合いいただいているお客様のお車で、新しくクルマを入れ替えたら、まずはデッドニングをやってスタートラインに立ち、それからぼちぼち、、というのがこれまでのルーティンになっております。
今回のGLEも慣例に従って、ご入庫いただきました。
そういった背景ですので、今回はオーディオのハードウェアは一切手を加えず、デッドニングのみ行いました。
施工箇所は、フロント・リアのドア4枚です。
フロントは3wayで、ウーファーがインナーパネル、スコーカーがドアトリムにそれぞれついています。
この構造ですと、ウーファーのエンクロージャーがドアのアウターパネルとインナーパネルの間の空間になり、スコーカーのそれは、インナーパネルとドアトリムの空間となります。よって、これら2つの空間の気密を保ち、壁がビビらないように、というイメージで施工いたしました。
リヤドアについては、オーディオのリスニングがフロントメインなので、遮音に重点をおいて、アウターパネルは省略してインナーパネルとドアトリムだけ施工しました。
通常のデッドニングに使っているアルミとブチルゴムのハイブリッドの防振材(SC-M4-2.4/SC-M2-4.0)は、主に250hz以下の比較的低域の周波数の遮断を目的に設計されておりますが、今回はドアトリム側に対して、250Hz以上に有効な高密度のスポンジシート素材(SC-NI4-2.625)を前者に重ね貼りすることで、スピーカーの稼働環境の整備と合わせて、より高品位な静寂感を獲得できるように取り計らいました。
施工後は、低域の締まりによって、全体のメリハリが向上した点を評価していただけました(^o^)
それでは工程の様子をどうぞ御覧ください。
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フロントドア
それではドアの外観から見ていきましょう。
グレイのレザーに白ステッチ!白は汚れやすいので、ステッチの色としては気を使う色ですが、オシャレ度は抜群ですね。
ドアオープナーの近くに見えるのは高級車の証。シート型の調整ボタン!
助手席ながら、シートポジションのメモリもついていて流石です。
※下方アングルで撮影してますので光源が見えてますが、着座位置からは間接照明になっています。
さて、スピーカーの配置チェックですが、冒頭でドアに2つスピーカーがあるとご案内しました。
どこでしょうか??
一つは右下の定位置。ウーファーですね。
そして中域をつかさどるスコーカーは、、ドアの中腹あたりを目で追ってもナイですね。
答えは右下のウーファーの上のところです。見慣れたクルマよりスピーカーグリルがタテ長ですよね。
ちょうどお家のブックシェルフ型のスピーカーのように、帯域の違うユニットがタテに並ぶレイアウトになっています。
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ドアオープン!
それではドアを分解していきましょう。
ドアトリムを外して、さらにモジュールパネルを外しているところです。
このGLEはそこそこドアの分解がやりにくいクルマです。
写真の状態にまでたどり着くには、、
?ドアトリムを取り外す。
?ウインドウを下げて、ウインドウ下端に付いている嵌合金具を外す
?ドアアウターハンドルを取り外す。
?モジュールパネルを固定しているトルクスねじを外してパネルを外す。
と、こんな手順になります。
大変といえば大変なのですが、上には上と申しましょうか、ドアのアウターパネル(塗装してある鉄板!)をガバっと外すタイプのクルマ(パナメーラ、スマート、BMWi3)もありますから、GLE君のドアは個性の範疇ですね。
それにしても、ウインドウを上下させる機構がユニークですね。
N字型に張ってあるワイヤーが動くと、ワイヤーにくっついている嵌合金具が同じ方向に上下するようになってるんです。
モジュールパネル中央にあるアクチュエーターがワイヤーを動かしていて、アクチュエーターの上の方向にワイヤーが動くとウインドウが下がり、下の方に動くとウインドウが上がる仕組みになっています。
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アウターパネル防振
やっと施工にとりかかります。
前出の工程を経てモジュールパネルを外したら、アウターパネルを清掃・脱脂の後、防振材を貼っていきます。
材料はサイレントコートのSC-M4-2.4という4ミリ厚の材料です。
インナーパネルやドアトリムといった内側系に使うものよりも厚手の材料です。
縦の線がきれいに並んだ真正面ショット。尾形光琳の燕子花の屏風みたいな緊張感ある調和を感じております。
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インナーパネル防振
2カット前でご説明した手順を逆にたどってモジュールパネルを元通りに取り付けたら、防振材を全面貼りします。
コチラで使うのはアウター用より薄手のSC-M2-4.0、2ミリ厚です。
※この車の場合、インナーパネル≒モジュールパネルなので、以後モジュールパネルで統一しますm(_ _)m
平坦なパネルだと、一枚まるまる貼り付けて、凹凸になじませることもできますが、このパネルはだいぶオフロードな感じです。
よって、細切れにしてモザイクのように貼り重ねていきます。
右下に見えるのが純正ウーファー。スコーカーはドアトリム側についています。
ウーファーの直径は18センチです。
今後のグレードアップの時に備えてメモっときます。φ(. .)
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ドアトリム防振
モジュールパネルの次はドアトリムの裏です。
左側に見えるアミアミのスピーカーグリルの上に、中域をつかさどるスコーカーをご確認いたけると思います。
冒頭で触れましたとおり、ウーファーのためのエンクロージャーはドア筐体ですが、スコーカーのエンクロージャーはご覧いただいている空間になります。
空間をはさむ2枚の壁のうち、インナーパネル側はすでに済みましたので、もう片側のドアトリムに防振材を貼り付けます。
防振材はSC-MILEX-2.0(厚口)を使っています。
なお、ドアトリム裏の防振は、便宜上、スコーカーのためと分類していますが、(低域の)ウーファーの鼓動がドアトリムに与える振動を吸収する目的も兼ねています。
よって、このクルマの位置にスコーカーがない車でも、デッドニングのグレードアップメニューとしてドアトリム防振を施工することはよくあります。 -
初登場材料
ドアトリムの仕上げです。
当コーナー初登場のSC-NI4-2.625という材料です。
これは、冒頭でも触れましたとおり、主に250Hz以上の周波数の振動の侵入を防御するための材料で、発泡ポリエチレンで出来ています。
250Hz以上でクルマがらみというと、風切り音や雨音などの中・高周波系のノイズです。
ちなみに、より高音域に対応する材料はシンサレートという化学合成のマイクロファイバー系のシート素材です。概ね1000Hzより上で抑制効果が期待できます。
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リアドア外観
それでは後半戦。リアドアに移ります。
まずは外観チェックです。
フロントはスコーカーとウーファーがドア、ツイーターがミラー裏の3wayでしたが、リヤドアに付いているのは、ツイーター(上端の目玉)と、右下のウーファーです。
スコーカー、、というか、中音域を出していると思われるスコーカー相当のユニットは、後方のCピラーに付いています。
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モジュールパネル
フロントと全く同じ作りですが、コチラのウーファーは16cmになっていますね。
フロントスピーカー群は今回の主役ですので、アウターパネル・インナー(モジュール)パネル・ドアトリムと3枚の壁に対して施工しましたが、リヤスピーカー群は、フェーダーの操作によって音量を大幅に絞る予定で、エンクロージャーとしての性能を追求する意義が薄いため、アウターパネルの防振は省略し、外来ノイズの抑制を主眼としてモジュールパネルとドアトリムの2枚に対して施工していきます。
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ドアトリム裏1/2
次はトリム裏です。
手前がウーファーのグリルですね。ツイーターは上端なので見切れています。
こちらもフロント同様、アップアンドダウンに合わせ、かつスイッチ・カプラー類を避けながら、小さめにカットした材料を配置していきます。
銘柄は厚口のSC-MILEX-2.0です。
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ドアトリム裏2/2
リヤトリムの仕上げです。
フロント同様に、発泡ポリエチレン素材のSC-NI4-2.625で全体を覆います。
ブチルゴムとアルミをあわせた防振材は、デッドニングの主力素材として大変ポピュラーです。これらはデッドニングの目的として優先順位の高く、かつ効果を実感しやすい?ビビリ防止のための重み付けと、?低域中心の外来ノイズ防御の点で大変よくできた材料だと思いますが、現実には、中音域、高音域にもノイズはあるわけですね。
それらに対処するための、この発泡ポリエチレンや、シンサレートのようなマイクロファイバー系の素材を組み合わせることで、より守備範囲の広い防振・防音を実現することができます。
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作業後記
今回は、メルセデスの上級グレード車のドア防振の事例をご覧いただきました。
重厚、静寂、、といったイメージを持たれるクルマですし、実際に各部の造りは頑丈で、材料も総じて厚めですが、その水準を起点とすれば、やはり手をかけただけの改善(音響的メリハリと静寂性)は得られます。
また、その域を一度体感すると、元には戻りたくなくなりますから面白いものです。
本文で触れましたとおり、今回のお客様は、今後のオーディオのステップアップを想定した第一段階としてデッドニングをご依頼いただきましたが、引き続き純正スピーカーを前提としてご依頼いただくお客様もいらっしゃいますし、静寂性追求型で、前出のシンサレートを組み合わせた内容でのご依頼もあります。
目的とご予算に応じて、フレキシブルに施工プランを立てさせていただきますので、どうぞお気軽にご相談くださいね♪
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