マクラーレン540Cのオーディオインストール事例
サウンドプロ自慢のインストール事例を御覧いただけるコーナーです。
豊富な写真と解説、関連の話題などもご覧いただけます。
当店ご利用前の作業レベルの評価や、施工プラン検討の材料としてご活用ください。
<事例No.657以前は税別表記です。読み替えをお願いします>
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事例No.578(お問い合わせの際にお伝えください)
model
マクラーレン 540C
system
メインユニット:純正オプションBowers & Wilkins
デッドニング:なし
フロントスピーカー:JBL STADIUM GTO600C/GTO20M
リアスピーカー:純正
プロセッサーアンプ:audison prima AP F8.9bit
ケーブル:kaiser swing
ナビ:Panasonic CN-G1300VDcomment
フロント3wayをJBLユニットに交換し、audisonの新型DSP(AP F8.9bit)で音場の最適化を図りました。
屋根が低くて起伏の多く、課題の大きな室内の分、改善効果が大きく引き出せたように思います。
マクラーレン540Cのダッシュボードです。
マクラーレンはモータースポーツ界の名門として有名ですが、市販車部門の設立は1990年(平成2年)と、比較的遅めです。
ドライバーが中央に座るスタイルの「横3列シート」を装備し、強烈なインパクトとともにデビューしたマクラーレンF1(1993年)を皮切りに、ハイスペックなロードゴーイングカーを製造しています。
現状のカテゴリ構成は、?アルティメットシリーズ、?スーパーシリーズ、?スポーツシリーズの3つに別れており、今回お迎えした540Cは?に属するモデルです。
?はレース専用車や限定車などのクレイジーなカテゴリで、?がモデル名700番代の4000ccクラス?は600/500番台の3800ccで、今回ご紹介する540は、一応エントリモデルということになっているようです。
しかしながら、これはあくまでも相対的なポジショニングであって、3800ccV8ツインターボ、540馬力、最高時速320km、そして車体価格2200万円と、十分すぎるほど現実感のないスペックのクルマです。
今回は、そんな由緒正しい、生粋のスーパーカーの事例ご紹介となります。
プランは、?オーディオの音質向上と?使い勝手の良いナビ取り付けです。
?はプレミアムオーディオシステム(Bowers & Wilkins)のスピーカーの内、フロント3way分を交換し、DSPで駆動するというものです。
スピーカーはJBLの STADIUM GTO600C(30,000円)と、スコーカー用としてGTO20M(18,000円)をご指定いただきました。
DSPはご存知audisonのAP F8.9bit(140,000円)です。
audisonのPrimaシリーズはDSPアンプの定番として長らく販売してきた製品ですが、今回お選びいただいたAP F8.9bitは、AP 8.9bitの上位機種として、今年発売された製品です。
既存の8.9bitからグレードアップされたポイントは大きく3つです。
1つ目は出力アップ。8つある内蔵アンプの出力が1基あたり45wから85wと大幅にパワーアップしています。
2つ目はハイレゾ対応。最大192kHz/24bitまでの入力に対応しています。(内部処理は48Khz/24bit)
3つ目は動作電圧の拡大。エコカーや高発電車両に対応して6.5V〜17Vと幅をもたせてあります。
そういったスペックアップを施されたので、筐体は一回り大きくなりました。
分母(製品定価)もちょっとアップになりましたが、分子のほうがより大きくなるカタチでコストパフォーマンスを向上させる、理想のパターンですね。
ちょっと脱線しましたが、?のナビの方に戻ります。
標準システムには7インチ縦型(!)のモニタがついており、ナビもあるにはあるのですが、オーナー様には使い勝手が悪かったようで、入れ替えというわけにもいかないので、新規に取り付けました。
製品はパナソニックのCN-G1300VDで、コンソール周りのボタン類の操作性を損ねないよう、可倒式のステーを特別に制作して取り付けました。
異様にナナメのフロントガラス!タテ方向に開閉するドア!フルアルカンターラの内装!に圧倒されながら作業いたしました。
工程の様子をどうぞ御覧ください。
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フロントドア
多分、当コーナー初登場だと思います。
跳ね上げ式のドアですね。
どう掲載するのが適切なのかわからないので、とりあえず被写体が大きく見えるように、水平に置いてみました。
(実際は左の小窓のようにストライカーが天を向いています)
施工前のドアには、Bowers & Wilkins(バウワース アンド ウィルキンス)のプレミアムオーディオのスピーカーがついています。
このオーディオブランドは、ケブラー素材の振動板の老舗で、黄色いコーンが特徴です。
見えているのは中音域を担当するスコーカーで、内装の上に固定されています。
ウーファーの方はアルカンタラ張りではない、ちょっと明るめグレーのところに入っています。取り付けはインナーパネル(鉄板)側になります。
ツイーターはAピラーの根元付近に入っています。(←今回写真ありませんm(_ _)m)
ドア施工の方針は、前述の通り、両ユニットとも元の位置でJBLに入れ替えますが、スピーカー配線引き換えについては、フェンダー経由で分解するにもジャッキアップしてタイヤを外して・・・と工賃がかさむので、純正配線を使用することとしました。
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純正ウーファー
ウーファー交換で内装を取り払ったところです。
ドアトリムを外したアップ写真だと、本格的に上下がわからなくなりますね。バーティゴっていうんでしたっけ。
一応、前カットに習って、左に上下ナビをつけております。
総出力1280Wを誇るBowers & Wilkinsの12スピーカープレミアムオーディオシステムのドアウーファーは、ダブルボイスコイルの16cmクラスの薄型ユニットでした。
グリル萌え♪なかなか格好良いですね。
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JBL STADIUM GTO600C & GTO20M
ドアのスピーカーの交換が終わったところです。
ウーファーはJBL STADIUM GTO600Cのウーファー、純正の黄色からオレンジに生まれ変わったスコーカーは同じくJBLのGTO20Mです。
それぞれ、MDFでバッフルを作って取り付けました。
配線については、純正アンプのスピーカー出力→audisonのDSP経由で供給されておりますが、ウーファーの配線について一点付け加えておきます。
冒頭のシステム図をご覧頂きますとお分かりの通り、ウーファー分が1/2と2/2の2つ(両ドア分なので4ch)用意されておりますね。これは、純正ウーファーがダブルボイスコイル仕様なので、スピーカーひとつあたり2ch消費するのが理由です。
今回交換するGTO600Cはほとんどの社外スピーカーと同様、シングルボイスコイルですので、もう1chはキャンセルした。とというのが顛末です。
ドア防振については、超軽量、高剛性に仕上げるためにアルミとカーボンケブラーを使って、気を遣った仕様になっている上、跳ね上げ式のドアですので、ダンパーへの負荷も考慮して、今回はナシということにしました。
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ラゲッジスペース(リア)
ラゲッジ。というほどの大物は載りませんが、シート後ろのスペースです。
この下に純正のアンプやヒューズ類が収まる階層があり、その下がエンジンです。ミッドシップですので、エンジンは前じゃないんですね。
DSPは冒頭でご紹介したとおり、オーディソンのニューモデル、AP F8.9bitです。
内蔵アンプを8基持っている点は8.9bitと同じですが、一つ45Wだった出力が、85Wに大幅パワーアップし、ハイレゾ入力対応も果たして14万のプライスで再登場しました。
また、デジタル入力時に必須のコントローラーについても、付属モデルが1万プラスの15万で用意され、最近のエコカーや高発電車両のエンジンストップに対応して、動作電圧を6.5V〜17Vと幅広く設定され、さらには、スピーカー出力での接続時に、純正デッキ側がスピーカー非接続と誤認して動作が停止してしまう現象を防ぐための機構も内蔵してしまうなど、マーケティングもバッチリ。間違いなく勝ちに来ていますね。
アンプパワーアップに伴い、松岡正造化しましたので、放熱を優先して、この涼しい地上階に設置しました。
奥に見えるのが(後ろは乗れないけど)リヤスピーカー、ちょうどその真下の地下一階に純正アンプ。という位置関係になります。
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ラゲッジスペース(の下)
リア周りの最後は、地下一階の様子です。
一コマ前のラゲッジスペースのフロアを取り払った状態です。景色がすっかりかわっちゃってますが、右奥に見えるリヤスピーカーで座標合わせしてください。写真左が後方、右が前方です。
左側に見えるのが、純正(Bowers & Wilkins)のアンプ、右側のカラフルなのはヒューズボックスです。
バッテリーはフロントのボンネットの中にあるため、地上階のDSP用の電源は、はるばるバッ直で引っ張ってきています
それらがレイアウトされているフロアは耐熱というより遮熱性能の高そうな素材が貼られています。
この下はエンジンルームですので、当然、そうなりますよね。 -
ラゲッジスペース(フロント)
リヤ周りが終わりましたので、以後、フロント、室内へと移動していきます。
まずはボンネット下のラゲッジルームです。
リヤは正に小物置きでしたが、こちらは150リットル確保されてますので、それなりに積載できそうです。(じゃあ買うか!とはなりませんけどね。)
ここでは特に派手な仕事をしたわけではなく、前述のとおり、バッテリーからリヤに向けたバッ直の電源をとったくらいです。(やっぱりそれなりに派手な作業ではありますが)
バッテリーは大きいのが載っています。
重量バランスへの配慮でしょうか、センターレイアウトになってますね。流石です!
DSPも真ん中に置くべきでしたかねぇ・・(笑)
では室内に移動します。
こちらは、他のオーナー様にも刺さるかもしれません。ちょっと凝った工作をしましたよ。
カスタム製作したナビステーをつかったナビ取り付けです。
ナビ本体はパナソニックのCN-G1300VD。ハイダウェイユニットナシのポータブルナビ市場の開拓者、通称ゴリラです。
縦型7インチの純正パネルにもナビがあるにはあるのですが、使いやすさ重視で横型をご希望ということで、追加で取り付けました。
となれば、取り付け方が勝負になりますよね。
写真のように、必要に応じてフロア側のボタン類(赤いのはイグニッションボタン)へのアクセスもできるよう、可倒式のステーをカスタム製作し、コンソールの先端部分に取り付けました。
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オリジナルナビステー制作
こちらがナビステーのアップです。
3Dプリンターで制作したベースと、トルクヒンジを組み合わせて可倒式のステーを製作しました。
取り付け位置はセンターコンソールの裏側の樹脂カバーです。
アームの3連ネジの内、樹脂カバー側の一つは、カバーに友締めされているので、通常の折り畳み時には、ナビ側の1組のヒンジだけが動くことになります。
もし、稼働中のヒンジに、タレてくるなどの不具合が出た場合でも、逆向きにつけ直せば迅速に応急処置が可能です。
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GPSアンテナ
最後はGPSアンテナ取り付けです。
ポータブルナビオプションに設定されている拡張用GPSアンテナをつけることになったのですが、まさかフルアルカンターラ貼りのダッシュボード上にポン置きというわけには行きません。
ということで、メーターカバーの中に設置しました。
このメーターフードは、ベルトでフレームと結合されており、取り出すことができなかったのでチョイずらしで作業しました。
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作業後期
今回はドアがタテに開くクルマのサウンドアップ事例を御覧いただきました。
タテ開閉ドアのパイオニア、ランボルギーニ・カウンタックLP400のデビューが45年前の1974年(昭和49年)ですから、知ってるといえば知ってるわけですが、実際触れるとインパクトすごいですね。
特にフルオープンになって高さが出ると「なにごと〜!」(IKKO風)って感じです。
このクルマの標準オーディオは4chのようですが、国内流通分は今回のと同様、プレミアムオーディオ仕様のものがほとんどのようです。
純正システムとはいっても、絶対値は相当高いので、それなりの音がしてましたが、やはり量産特有の傾向がありますね。
どうしても、「ちょっとスイートスポット広め」のステージングにせざるを得ないので、エッジの聞いた音を求める方には、物足りなさが出てきちゃうと思います。
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そういったご不満の解決策として、DSP導入は良い切り札になりますね。
狭い車内に点在するスピーカーから発せられる、音の到達時間のバラツキをなくしてあげると、いつもの起伏のある室内を見ている「視覚」と、妙にクリアに聞こえる「聴覚」とのギャップに戸惑いを感じるくらいの変化がもたらされます。(9割方、お〜!と声が出ます(笑))
特に今回のようなクルマの「リスニングルーム」は平たくて起伏も大きいため、特定の帯域の音がよどんだり、尖ったりといった症状が出やすく、前述のタイムアライメントの効果に加えて、音の帯域ごとの凸凹を平らにならすイコライジングの効果も、より大きく発揮されます。
考えてみれば、室内は音が反射しにくいアルカンターラで全面貼りしてあり、この点は逆に理想的だったりするので、トータルでみると伸びしろのある、手のかけ甲斐がある素材なのかもしれませんね。
改善策をお求めのオーナー様がいらっしゃいましたら、どうぞご検討ください。
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あと、施工者しても達成感が高かったのが、カスタム製作のナビステーですね。
デザイン上の制約から縦型モニタが採用されていますが、ナビに関しては横のほうが馴染みが良いですよね。
これだけ完成度の高いデザインの室内に「異物」を持ち込むのは、なかなか勇気がいりますが、既存のスイッチ類へのアクセス性を確保しつつ、新設ナビの操作性、見た目の収まりの組み合わせは、取りうる選択肢の中で最善の答えが出せたと思います。
こういったカスタムパーツ製作には、3Dモデリングの技術は最高ですね♪
もっといろいろ取り組んでみたいと思います。
同車のオーナー様はもとより、カーオーディオやナビの改善をお考えのお客様は、どうぞお気軽にご相談ください。
ご希望とご予算に応じて、柔軟にプランさせていただきます。
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